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輪廻神昇  作者: 青花
3/5

神はいまだ回復せず 悲しみは受け継がれる

僕は...大きなベッドに寝そべって居る...

「目覚めた...?」

そこには灰色のショートカットで黒いドレスのようだけどそこまできちっとしていない服を来た女性が居た

「私を信じてくれてありがとう...」

僕は訳がわからなかった

「あの...すいません、ここどこですか?」

キョロキョロ見回すも、ドアらしき扉は見当たらず大きなテラスに続く窓から風が入ろうとガタガタ揺らしていた、かなりゴシックな部屋だ。黒が多く、なんだか落ち着く

「ここはあなたと私が会える"部屋"」

本当に訳がわからない

「あの...あなたは誰ですか...?」

「私は"ニュクス"...あなたと契約を交わした神、あなたはツイてるわ!だって誰も私と適合出来なくて、合体した途端正気を失って転げ回って死んだんだもの」

僕は怖くなって聞いた

「あ、あの、神ニュクス...僕は、」

「お願いがあるの」

僕の話を聞くつもりは無いようだ

「バラバラの私の内、一つを捕まえたあなた...他の私も見つけてくれない?」

どういう意味だ...バラバラってなんだよ

「あら、そろそろ時間ね...」

そういって、窓の方へ歩みを進める神ニュクス

「それじゃあね、また会えると嬉しいわ」

ガチャ

窓が開けられた













「はっ....」

僕は何かから怯えるような表情で大きく目を広げた

「あ、おはよう!」

園田さんはそう言って僕のベッドの周りを掃除してくれていたらしい

僕は病院の308号室に居るようだ、そう園田さんが教えてくれた

「精密検査でしばらく入院だね~、それまで副隊長と私でなんとかするから!!早く戻って来てね!」

そう言って、園田さんは病室から出ていった

「精密検査かぁ...病院って苦手なんだよなぁ...」


僕の寝て居るベッドの側のテーブルに一つの手紙と書類が数枚置いてあった

「あ、この手紙ヴィアインさんからだ」

___________________________________________

大丈夫か?心配させんじゃねぇ!

お前が居ねぇとこっちも困るんだよ!

さっさと戻って来いよ

あと...あの黒いもやもやはなんだったんだ?

お前が出したのか?

その辺は聞かないようにしておくが...

いつか話してくれるとありがてぇ

俺らは同じ部隊だろ?隠し事は無しだ

いいな?

  ヴィアイン

___________________________________

「なんだよ、嫌みと混ぜて心配すんなよ...」

僕は少し恥ずかしくなった

そして僕は書類に目をやった

『神話型の神出現について』と『神との融合者出現について』

僕は真っ先に神との融合者出現についてを読んだ

『神との融合者出現について』

彼らは何らかの拍子で神が体内に入り、適合した者と思われる

そう言う事例が現在18件確認されており、それ以上に融合者は居ると思われる

現在最も新しい事例は、第一地区第一部隊所属楠木龍馬である

彼は緊急の戦闘中、武器に黒い霧のような物を発現したと同じ第一部隊所属ヴィアイン鈴木によって証言された

以上、この書類は見終わった場合、第一部隊隊長が管理及び破棄の選択をするように

特務機関 WOL より


僕は言葉を失った

「僕の...中に...神が居るの...」

その瞬間、僕はさっきのゴシック調の部屋を思い出した

まさか...あれが...そんなはずない....

僕は逃げる様に書類に向かった

『神話型の神出現について』

神に形態があるのは常識だが

その全てを特化型で持って居る神を神話型と言う

攻撃 防御 支援 全てを特化した状態なのが神話型である

攻撃型にも形態があり、 攻撃型→攻撃二式型→攻撃特化型となる

神話型は現在悪魔と天使からは指で数えられる程しか確認されていない

英雄等は例外で、比較的に神話型が多い

神は神話型になるのが難しく、現在は8体が世界各地を支配していると言っても過言ではない

その一体"神話型ベルゼブブ"と"神話型イザナギ&神話型イザナミ"が第一地区周辺で確認された

脅威となるのは確実の為、発見次第討伐を遂行せよ

神話型は通常武器や『L·754菌』等は効かない

よって、現在討伐は不可能

撃退を推奨する

以上

特務期間 WOL


なんなんだよ...

「俺の周りで何が起きて俺が何したかわかんねぇよ....」

僕は書類に書かれた『楠木龍馬』という字を自分だと思いたくなかった

いや、怖かったのかもしれない

涙が止まらない自分を、誰か救って欲しかった

あの時助けてくれた人みたいに

「どうして...ウグッ...僕ばっかり...」

今にもくしゃくしゃに潰れそうな顔を誰にも見られることなく

僕は一人

一人で何か大きな"物"を背負ったのかもしれない

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