神の見た世界とは
神は存在した。
悪魔も天使も存在した。
こんな事を言っても、2010年辺りの発展途上の日本じゃ信じてはくれなかっただろう
人間が作り出したウイルス 『K·659菌』
降臨...と言えば分かるかな、神が降りてきたんだ...天界から
その菌は、死滅した細胞に成り変わってくれる万能細胞になる菌だと言われていた
神は存在した、それは人類の脅威にも、偉大な指導者にも成りうる存在
だが、神を人間は少しだけ越えてしまった
その『K·659菌』は、神と悪魔、天使に感染するウイルスだった
僕は14歳の時に、最初の感染神が現れた
それから10年…
僕、楠木龍馬は
【神を殺す仕事】に就いた
第一章『神が見ているモノとは』
「本日より入隊いたします!楠木龍馬です!!」
僕は第一地区防衛拠点本部に配属になった
運良く一番隊が空いていたから応募した、見事に受かってしまった
「お前かぁ...この一番隊に入隊したいって物好きは」
「副隊長~?いい加減新人イビりなんてしない方が良いですよ~?私の時もつっかかって来たんだから...」
この僕の前に居る赤毛の兄貴風な男はヴィアイン·鈴木って名前らしい
この人は日本人とドイツ人のハーフで、結構男前...ちなみに入隊して5年らしい
隣に居る栗色のセミロングの女の子...女性は園田香
入隊して2年らしい、ちょっとタイプだな...
「ガキのクセになぁ~にボケッとしてやがる、お前がボケて良いのはあと70年はあるぞ~?」
イラッ...こいつずいぶんと皮肉をいいやがる...
「ヴィアインさんって恥って感情ないんですね」
「なっ...テメェ、覚えてろよ...」
「もう!喧嘩するなら神相手にしてよね!」
《緊急事態発生!全員職員に連絡、"攻撃型神ニュクス"が第一地区に接近中、戦闘職員はただちに出撃準備を》
「あ!新人さんには厳しいかなぁ?」
「へっ...初陣でニュクスとは...お前もツイてねぇな?」
「あの...隊長って居ないんですか?」
「あ~...実は色々あってね、帰って来たら話すよ」
園田さんはそう苦笑いしながら言った
『第一地区外壁付近』
「そろそろかな...」
園田さんは真剣な目付きでそう言った
僕らは一人一人自分に会った武器を選べる
僕は大きな鎌にした、まるで死神が使うような
ヴィアインさんは見かけによらず、刀...
園田さんは鞭...鞭!?
「へっ、お出ましか....」
「え?」
そんなマヌケな声が漏れた瞬間だった
「グガラアァァァァァァァァ!!!」
大きな声が聞こえて来た
僕の後ろから。煙で見えなかったのだ
「あぶねぇ!!!」
ヴィアインさんが僕の襟を掴んでおもいっきり投げ飛ばされた
「さすが攻撃型...後ろから来る辺り、戦闘特化型だな」
そう言って彼は武器に液体入った瓶を殴りつけた
バリンッ!勢い良く割れた瓶から緑の液体が武器に染み込む
「新人、お前もさっさと『L·754菌』浸けろ」
その菌は『K·659菌』を不活性にする力を持つ
だが、そんな暇無かった
「ギァァァァァァァァァ!!!」
神ニュクスの声で思考が真っ黒になる
このままじゃ...勝てない...!
「おいガキ!!さっさとしろって言ってウブッオァッ」
ヴィアインさんがおもいっきり第一地区の外壁に叩きつけられた
気絶したのだろう、ピクリとも動かない
そうじゃない!このままじゃ僕も!
「ほいっと!」
園田さんが言った言葉に僕は絶句した
「副隊長運ぶから後よろしくね~♪」
♪じゃないよ!!僕新人だよ!?死んじゃうよ!!
次の瞬間には園田さんは外壁に登り、副隊長を抱えて中へ行ってしまった
「ウッ...ウッ...ウギュアァァァァ!!!」
その時、僕のお腹に黒い何かがおもいっきり刺さった
ポタポタと落ちる赤い液体 血
「うっうぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
僕は必死に鎌を振り回した
ポケットから色々な物を投げた
回復薬からストラップまで
そして...パリンッと...不吉な音が
神ニュクスにL·754菌がかかる
「ウッ...あ...た...スけ...て...お願...い、君...私はもう人々を襲いたくない...」
神ニュクスが話した...困惑する僕に神ニュクスは言った
「そうだ...合体しよう...私は君の中に入る...その代わり、力を与える...」
それは命乞いに近かったかもしれない
「やりましょう...ハァ..ハァ...神ニュクス」
その後僕は外壁の外に倒れてたらしく
戻ってきた園田さんが助けてくれたらしい