#4 戦闘
「うおおおおおおおおおおお!!」
やべぇ、死ぬ!死ぬ!
俺とリリナは仄暗い森の中を全力で走っていた。
それもそうだろう。
「グオオオオオァァァァァァッ!」
後ろからドラゴンが追っかけて来ているのだから。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「ダサいですよハルトさん。大の男の人がそんな女の子見たいな悲鳴出して」
「なんでお前はそんなに余裕なんだよおおおおおおおおおおお!!」
「私その気になれば空飛べるんで」
「チーターがぁぁぁぁぁぁ!!」
クソ!この世界は初心者にキツすぎる!
「あ、そういえば精霊の使役の仕方知ってます?」
「知らねぇよぉおおおおおおお!!」
「あ、じゃあ教えますねー。えーと・・・」
「あくしろよおおおおおおおおおおお!!」
「まずは手を伸ばします」
言われるがままに手を伸ばす。
「次に精霊とのパスを繋ぎます。こう・・・んっ!て感じで」
説明が曖昧すぎる!
「こ、こうか・・・?」
体の芯に力を込める。すると、手のひらに魔法陣みたいなものが出てきた。
「おー、成功ですね。後は精霊を使役して、自由に扱う事ができます。攻撃からお使いまで、自分の想い描いた通りに」
「用途幅広いな・・・」
とりあえず手のひらを追ってくるドラゴンに向けて、光線を出すイメージを想い浮かべる。
「おりゃっ!」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォンッ!
「ファッ!?」
なにこれ!?馬鹿でかい光線が出てきたぞ!?メガ粒子砲みたいだ!
「グギャアァァァァァァァァ!?」
うお!?ドラゴンの左手が吹っ飛んでる!すげぇぞ精霊!
「グ、グギィッ!」
あ、ドラゴン逃げてった。
「ハルトさん・・・?なんで聖属性皇位魔法の神光を・・・?それ、帝国の高位魔道士が5人がかりでやっと編める魔法ですよ・・・?」
「し、知るかよ・・・なんか出てきたんだよ・・・」
「へぇ・・・まあ、何かの弾みでしょう。とりあえずこの辺の村を探して、泊まらせてもらいましょうか」
「おっ、そうだな」
こうして、俺達は危機を乗り切ったのだった。