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 さすがに、近くに美海の両親が寝ているのに性行為などに及ぶべくもなく、普通に一夜を越した。

 今までと違うのは、俺の腕枕で美海が寝ているということだけだ。

 左腕の感覚は既になく、美海が起きたら、幸せな痺れを感じること間違いなしだ。


 しかし、確かに問題もある。

 ドアが少しばかり開いており、明らかに楽しげな瞳がこちらを覗いている。


「静香さん、どうしたんですか?美海が起きたら怒りますよ?」


「起きて怒られるのは良樹君ではないかしらね。それと、朝ごはん、いつでも食べれるわよ?」


 朝ご飯の準備ができたと報告に来たらしい。

 しかし、一向に静香さんが立ち去る気配がない。もしかすると、美海が起きるまでそこに立っているつもりなのだろうか。


「いつまで、そこにいるつもりなんですか?静香さん。」


「うふふ。起きるまで待とうかとも思ったんだけど。起こしちゃおうかしら。」


 トコトコと近付いてきた静香さんに精一杯、美海を起こさないように抵抗してみたが、たいした効果をもたらしてはくれなかった。


「んにゅ…。な…にぃー?」


 その瞳は自分を抱きしめている俺の姿を映し、カッ!と大きく見開いた。

 そして、恐る恐る自分が枕にしていたモノを確認して、驚愕の表情を浮かべた。


「美海、寝ぼけているところにごめんなさいね。朝ごはんよ。」


 静香さんの声で、美海の中の時計が動き出したのだろう。その割には、その動きは油をさしていないおもちゃを思い出させるものだった。

 ギギギと音が聞こえる程に不自然な動きで後ろを振り向いた美海が、その瞳が静香さんこと自分の母親を捉えた。


「おはよう。」


 美海は、もう一度俺を見た。


「お、おはよう。」


 美海の手がバチンと音を立てた。

 勿論、その音がなった場所は、俺の頬。

久しぶりな上に、短くてすみません。

まだまだ頑張ります。

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