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第1話・cancel/消失する
この小説をお読みになって気に入らなかったからといって苦情は受け付けませんので御了承ください。
人込みの中…
ざわざわ…
歩道を渡ろうとするが信号機が赤で必然的に俺は止まる。
ざわざわ…
煩い…
うるさい…
ウルサイ…
大勢の人の声がハミングして雑音となる。
首にかけてあったヘッドホンを耳にあて、音楽に集中する。
あぁ、いなくなればいいのに。
人なんて死んでしまえばいいのに。
そしたら、この騒がしくて縛られた規律のある世界が解放されるのではないか、と。
まるで神にでもなったかのように…
俺は心の中で嘲笑って言った。
歩道の信号機が青に変わりまわりの人々も同時に歩きだした。