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ダンジョンマスターと生贄の少女  作者: 緑 素直


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第4章:プロローグ

次元侵略スタンピードを検知しました。次元震度は3。騎士団は速やかに現場に急行してください。繰り返します――』


 ランドマークたる銀色の尖塔は、地面から突き立った剣のように青空を切り裂いて、そして悠然と陽光を反射して、今日も美しく煌めいてそこに在る。

 その尖塔を取り囲むように発展してきた都市が、シルヴィス教国首都コトネオである。


「ああ、びっくりした。最近多いわねぇ。あのサイレンの音、いつ聞いてもドキッとするわぁ」

「今年に入ってから特に増えたんじゃないかな」

「活動周期に入ったらしいから、これからもっと増えるそうよ」

「や~ねぇ~」


 その一角で、井戸端会議に花を咲かせる御婦人方。

 この町の建物は、中心の尖塔に近づけば近づくほど「神の色」とされる銀色の建造物が増え、離れると、銀は無理だが、それでも神を敬おうと、石灰を使った白亜の建物が増えてくる。

 聖地、神都、白銀都市、波打ち際の真珠。その美しさと、世界に対する影響力から、様々な呼ばれ方をしている世界宗教の中心地点だ。


「あ、見て。騎士様たちよ」

「かっこいいわねぇ」

「あーあ、私にも魔技アーツがあったらなぁ」

「なに言ってるのよ。もう夢見る年でもないでしょ」


 次元侵略スタンピード警報が鳴っても、街の穏やかさは変わらない。空を駆けるペガサスに跨った一団に手を振ったりする者もいるが、子どもを始めとする少数派。皆、思い思いの、いつもと変わらぬ昼下がりを生きている。


 邪悪は神を狙い、神は邪悪を打ち払うのが当たり前。


 さらにここは神都である。

 この世で一番神に近い場所なのだから、世界で最も安全な場所なのだというロジックが、人々の心に根付いているのだ。


「あ~、もぉ、またランクアップしたんじゃないぃ? どうしよう、あの子、規格外すぎるよぉ!?」

 天馬騎士団を見送るように、尖塔のバルコニーに出ていた銀色少女がじたじたしている。


「いい加減ばれちゃうぅ~。そろそろ奴らに見つかっちゃうぅ~。まずいぃ〜」


 コロコロじたじたバタバタするこのちんちくりんな少女が、世界宗教の教主であることは誰も知らない――、なんてことはなく、だいたい周知の事実。最近の神都のトレンドは、お散歩途中の彼女が、お気に入りの甘味所に立ち寄って、ニマニマしながらパフェを食べているところを、皆でこっそり愛でることだったりする。


「カオルコちゃん、ちゃんと警告して、対策してくれたかなぁ? あの子もどっちか言うとポンコツ寄りだから心配だなぁ…」


 そんなシルヴィス教国教主の名はアルジェ。

 彼女の苦悩は今日も尽きない。


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