視察にGO!
八戸領は南と西を山に東を海に北を川に囲まれた軍事要衝だ、また川を利用した物流の集積地であり、太平洋側の海の玄関でもある。
「出荷する物がないから閑古鳥がないてるな。」
港の視察にきたのだが...寂れているね、南部の初代様が見たら泣くねこりゃ。
「爺、ここから、なにを出荷しているのだ?」
「おもに、木材ですな、後は寄港地として水や食糧を売っています」
うーん、南部領は、漆、塩、木工細工、干し鮑、干しナマコ、スルメ、鯖節が特産だって記憶していたが?
漁船も小さいのがほとんどだし、せっかくりっぱな港があるのにもったいないな。
まあ、出荷できるとしてもこの時期はまた別の難題があるんだけどね。
「だいたい分かった次にいこう。」
川沿いの田畑に移動した。
「...これはまた酷いありさまだな。」
「昨年の洪水のせいで半分が使えない状態です。」
「なんとかならんのか?」
「人手がまったく足りません。」
肥沃な土地なんだが、人手がなくて耕せない状態か。
だが、やれることは多そうだ、手を付けるならここからだな。
「爺、畜産関係はどうなっている?」
「畜産とは?なんでございましょう?」
ん?ああ、まだ大規模な畜産はやってないのか。
「牛や豚、鶏は、どのように飼っているのだ。」
「農家で飼っているところはほとんどありません。」
やっぱりか、とはいえ効率重視だーとかいって、集めたら一揆ものだしな、買い集めるしかないな、先立つものがないけどね。
「鍛冶屋とかは、どうなっている。」
「若は物知りですな、鍛冶丁にまとまっています。」
ふーん、ちゃんとしてるところは、ちゃんとしてるな、まあ馬用の装丁の技術は特出してるはずだし、技術者の囲い込みもしているか。
「馬の育成地は五戸から北だったな。」
「はい、ですが特別な許可がないと近づくこともできませぬぞ。」
五戸は八戸領の北にあり本家の直轄地だ、南部領の特産品だしな、現状馬の取引で領地を維持しているんだから当然か。
「よし、だいたい分かった、戻ろうか爺。」