プロローグ3
「このパトリック・X・トゥナイト伯爵が来たからには大丈夫です、お二方。」
白衣を着た男は、携えた奇妙な形の銃らしき物を構えつつ言った。
(あれは、俺の前に座っていた…?)
俺は白衣の人物があの「伯爵」だということに気付いた。
「何が目的かはよく分かりませんが…いけないことですよ、こういうの!」
伯爵の隣の女の子も、銃口を長髪男にむけたつつ、負けじと言った。
それには答えず、無言で懐から銃を取り出し、二人に向かって数発撃つ長髪の男。
だが、その銃弾は伯爵の繰り出した右の拳に防がれた。
「こんなこともあろうかと、強化合金手袋を用意していたのだよ!」
足下に弾かれた弾が転がる。
それを見た男は、即座に王女の首根っこを乱暴に捕まえ、後頭部に銃を突きつけ
「はい、こいつが人質ということで…お前ら武器を捨ててひざm」
男が脅し文句を言い終わらないうちに、目を疑う現象が起こった。
まず、男はなぜか銃を持った方の手を上に大きく掲げた。
その次の瞬間、その手が思い切りひとりでに捩じれる。
「!?い、いぎゃぁぁぁぁぁぁ?!」
状況が全く把握できず、ただ痛みに絶叫するしかない男。
「使うのは初めてだが…こちらは相手の神経に介入して自在に操る直径0.1mmの糸、インビジブル・マリオネッターとでも名付けようか。」
よく見ると伯爵の銃口の先からから非常に細い糸のようなものが出ているのが見える。
「がはっ、お、お前、まさか…」
「おっと、その先は言う必要はない」
「了解しました、伯爵!」
男がなにか言いかけた瞬間、伯爵の目配せを合図にして、助手の女の子が銃の引き金を引いた。
「がはぁぁぁっ、あっ」
青白い電流が走る。それをまともに受けた男はあまりにあっけなく、気絶した。
「今の電気銃で数時間は動けないだろう。さ、王女殿下、あとそこの坊や、拘束を解きます。」
「お体の方に異常はございませんか?」
縄を解き終わったあと、伯爵が問いかけてきた。
「いえ、僕の方は大丈夫です。」
「はい、私もありません。」
「君、王女殿下より先にしゃべるのは良くないね。」
しまった、これは不敬だ。
「し、失礼しました。王女殿下」
「い、いえ、お気になさらないでください。」
失礼、途中で送信してしまってしまいました・・・
後程修正します。