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Dedicate defeat to religion

作者: 水峰うらら
掲載日:2026/10/13

眩暈がする。

吐き気がする。

乾いた鉄のにおいがする。

...君の声がする。



目覚めるとそこはいびつな空間だった。青々と茂っている草原、雑多に置かれた木箱、そこらそこらに置かれている俵、床に置いてある皿、物々しい異物感を放つ石板、はっきりとはわからないが像のようなもの、かかし、噴水、頭痛、これらすべてが不快に感じた。それらが見渡せる範囲に自分は電柱のように立っていた。平衡感覚は正常だと感じる。しかし頭痛はいつまでも治らなかった。

これが異世界転生というやつなのか...そう思えるようになった頭にメッセージウィンドウが出るようなポンという音がした。否、目の前にメッセージウィンドウが出たのだ。メッセージウィンドウに文字がある。これは自分の母国語であると認識した。「この島を脱出してください」「制限時間は特にありません」「いろいろなものを調べることができそれらに脱出できるヒントがあるでしょう」「脱出できることを心から待ち望んでいます」 ...メッセージウィンドウはこれらを残して消えてしまっていた。とにかく脱出しなくてはいけないという強迫観念に囚われた矢先、自分が何者かであることを思い出せなかった。名前、住所、家族構成、学歴...これらすべてを忘れていた。母国語であると認識した言語もなんという国の言語かすらわからなかった。深呼吸して目について気になったものを調べることにした。まず皿が目についた。そのお皿を見た瞬間にまたメッセージウィンドウが出てきた。「お皿を破壊しますか?」....お皿を破壊?どういうことだ?頭が理解を拒んだ。破壊しない、ということをしたかった。口でそういうべきだと感じた。口から『破壊しない』という言葉を発した時メッセージウィンドウに変化が訪れた。「なぜ?あなたは皿を破壊しないのですか?」「あなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っていますあなたは狂っています」「...まぁそういう考えもありますか」「お詫びにあなたは大切な人がいる、という情報を与えましょう」これだけ残して瞬く間にメッセージウィンドウは消え去った。自分には大切な人がいるという情報から脳内にイメージ画像が流れ込む。秋、その人と紅葉狩りをして、それから寒いのに売店でアイスクリームを買い、そして帰路について、今日はいい一日だった...、そういう内容だった。頬を伝い、鼻呼吸がしにくくなってしまう状態で吠えた。なぜこれを忘れていたんだろう。こういう記憶の断片を調べることで取り戻しその人を迎えにいこう、体をやる気が駆け巡った。

ちょうど皿の近くに木箱がおいてある。またポンと音がした。「この木箱を蹴り飛ばすなどしますか?」『しない』「木箱の横に紙が置いてありますね」「内容は確認してください」紙の内容は、自分の年齢が20代であること、自分の名前が五文字であること、自分の身長が168cmであること、そしてモールス信号があった。自分の身長についての情報を目にした瞬間また脳に流れ込む記憶、自分の身長が性別にしては低いこと、それをコンプレックスにしていたこと、でも大切な人が、私と身長が近くていいね的なことを言って、救われて...、これだけだった。それでもいかに自分の大切な人が自分に影響力が高いのが分かる内容であった。やはり大切な人についての記憶が欲しい。そうなるとこのモールス信号が...あれこのモールス信号がなんて書いてあるかが理解できた。モールス信号は、わたしあだちひかる、と書いてあった。あだちひかる...、刹那脳内に強い衝撃が走る、痛い、苦しい...吐き気を催してしまうほどの情報の洪水に呑まれ思い出した。あだちひかる、足立ヒカル、彼女は僕の大切な人である。コンプレックスや悩みを彼女は一瞬で癒してくれた。まるで自分の女神であるかのような...そういえばそんな像があった気がする。その像を調べたらこの気が遠くなるような島から抜け出せるかもしれない。像を一瞥するとまた音がした。「あなたはこの像に見覚えがあります?そうですね?」像をよく見てみると女性であり、すごく見覚えがある気がしてきた。『ある』そう答えると、「そうですよね、だって自分の家族がハマっていた宗教の女神像ですもの」「やはり見覚えがあって当然ですね」やはり記憶がよみがえってくる。自分の家族はとある宗教団体にのめりこんでいた。なんでも最初は訝しく思っていたが、事故のことを当てられてハマったのだ。そして週に一度日曜日に団体のほうへ行き女神像に祈りをささげる時間があるのだ。自分はあほらしく思っていたが両親と弟が行くからしぶしぶだった。...両親はその団体に寄付でかなりのお金を注ぎ込んでいたらしい。次第に自分たちの生活が苦しくなるのも厭わないほどにのめりこみ最終的には自分を置いて一家心中してしまった。家はなくなり、孤児院へ行きそこで彼女と出会ったのだ。

「この女神像を憎いと思いますか?」「宗教団体が憎いですか?」「家族は嫌いですか?」「まだ小さかった弟は生きていてほしかったと思いますか?」『...憎くはない、別に家族のことは嫌いだったし確かに弟は小さかった。でも自業自得だし事故を回避できたからのめりこんだと言っていたけど、事故って言ったって弟が自転車で止まっている車にぶつかる事故とも言えないようなものだった。』「ではこの女神像のことをどうお思いですか?」『なんとも思わないな』「そうですか、つまらないですね」「では、こうしましょう」「...私の正体を当ててみるというのは」『いいなそれ』「では当ててもらいましょう」「私の正体は?」...ここまでの情報から考えるに宗教団体の女神のように感じる。いや待てよ、足立ヒカルの可能性は?足立ヒカルは最近、人が夢か何かを見ている状態の時に脳内に入り込める技術を確立した、と言っていた。それではないか?『君は...足立ヒカルだ。』「...」「なんで分かったのかな?」『僕はだんだん自分の記憶を君からとり戻しているとき、ぼくにとって大切な人のことを完全に思い出したんだ。』「そうですか」「では私の正体を見破ったため、ここから脱出して差し上げましょう。」「あなたは次にパンッという音を聞くと目が覚めるでしょう」『ヒカル』「?なんでしょう」『ありがとう』「どういたしまして」



.......パンッ



音に驚き、目をふと開けるとそこに足立ヒカルがいた。「瑠衣!目を覚ましたの!?」『???』「あ~、もう本当に心配したんだよ~」べしょべしょに濡れている彼女の目、頬と自分の上半身をかわりばんこに見つめながら理解が追い付いていないと感じた。『ここはどこ?』「病院で、事故にあって3日眠ったままだったんだよ」彼女のほうから鼻を吸い込む音がした。「意識不明で、もう目を覚まさないかもってドクターがいったんだ。」「っそしたら、そしたら...起きてきて...」そこからのことはあまり覚えていない。僕はあの日、宗教団体に呼び出されており、その宗教団体が起こした事故によって用いられた毒ガスを吸い込んだらしい。このことはもうすでにメディアに報道されているらしく、今回のことで宗教団体は解体するんだとか。そして僕以外の人間はまだ目覚めていないどころか、死者が出ているらしい。医者には「君が起きたのは奇跡だ。」とすら言われた。彼女に僕が見た夢のような話をすると、身に覚えがないという。自分で体験したことだがやはり実際に起きたことなのかも日が経つにつれて忘れる。しかもヒカルの人が夢か何かを見ている状態の時に脳内に入り込める技術は、まだ確立はしているものの実践はされていないらしい。よくわからないが、こうやって彼女と過ごせる時間はすごく愛おしい。それだけで十分だ。余談だが、僕の名前をあの夢では思い出せなかったが僕の名前は中田瑠衣だ。

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「...私の信者たちがあんなことをするなんて、本当に信じがたいですわ。」

「結局、巻き込まれてしまった人々がかわいそうだったから、意識空間の中で現実に戻れる脱出ゲームをしていたのにかなりの人が失敗してしまいました。」

「ああ、なんででしょう。すごく簡単にしてあげたのに!」

「まぁ、成功者は少なからずいることですし...」

「でも、このままでは私を信仰する教団がいなくなり、私の力が弱まってしまいます。」

「それでは困りますわね、そうですわ!」

「成功した彼、中田瑠衣がいるじゃありませんか。」

「彼は多くの人が失敗してしまった私のゲームを成功した一人目ですし、彼なら大丈夫そうですわね。」

「彼の家族は私の信者だったらしいですし、彼も私の信者にしてあげましょう。」

「そして私を信仰する教団を名前を変えて再び立ち上げるように仕向けましょう!」

「こんな労力がかかること、なかなかほかの信者にはしないし、彼もきっと光栄に思うでしょう。」

「早速、周りを信者にして...ああ、そうですわね、彼女、足立ヒカルも信者にしておくと便利ですわ。」

「これから夢に入り込んでじっくりと信者にさせてあげましょう。」

「将来の教祖、中田瑠衣、私のために頑張って頂戴ね!」


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....とある新聞からの引用

「今話題の新興宗教にせまる!!」

「なんと今回の取材では!教祖の中田瑠衣に話を聞くことができた!」

「教祖が語る女神様とは!?その補佐である足立ヒカルにも話を聞くぞ!」

「教祖様には女神様に救われた過去、ある宗教との悲しいかかわりにも見逃すな!!」

これは自分の制作しているゲームのストーリー的なものを文字に書き起こしています。よろしければ感想などもらえると幸いです。※ゲームはまだ未完成です。ブラウザ等での配信もまだです。

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