Sw〇tch2が当選したことがバレたら、女子達が家にやってきた
本日は短編を2つ投稿してます。
もう1つは以下ですので、よろしければご覧ください。
『ワレワレハウチュウジンダ』『マジで!?』
https://ncode.syosetu.com/n4274kw/
「きゃはは!あたしの勝ち~!」
「あそこで赤甲羅が出てくれれば勝てたのに……」
「またビリ!?おかしくない!?雑魚運すぎっしょ!」
「ざ~こざ~こ」
「ざ~こざ~こ」
「コロス!」
橘 一誠、一生の不覚。
天国から地獄とはまさにこのことを言うのだろう。
人によっては天国から天国だと思う人もいるだろうが、俺にとっては間違いなく地獄だ。
ことの原因は数日前。
超高倍率で入手困難と言われているSw〇tch2の抽選を奇跡的に突破したことがクラスメイトにバレてしまったのだ。
「なぁなぁ、橘ってゲーム好きだよな。Sw〇tch2の抽選応募した?」
「え……あ、ああ、うん。公式のに応募した」
まずこの時点でまずかった。
そんなに仲が良いわけでもない男子から突然話しかけられて、焦って歯切れ悪く答えてしまったのだ。もしかしたらと相手に期待を抱かせるには十分だった。
「まさか当たったのか!?」
あろうことかその男子は物凄く大きな声でそう聞いてきた。
クラスメイトの視線が一気に向けられたのを感じ取り、俺は更に焦ってしまったのだ。
もしバレてしまったら、遊ばせろと言ってくるのではないか。
いじめられていないからほとんどの相手からなら寄こせとは言われないだろうが、せっかく手に入れたSw〇tch2を自分が満足するまで遊ぶ前に他の人に占有されるだなど、ゲーム好きとして許されざることだ。
もちろんゲームなので他の人と一緒に遊んでも楽しいだろう。
だがそれは相性が良い相手と遊ぶからであって、たいして仲が良くなくて、しかも陽すぎて苦手としている相手と一緒だと苦痛なだけだ。
ゆえに絶対にバレたくなかった。
遊ばせろと言われたくなかった。
「はは、まっさか~、当たるわけないじゃん」
「だよな。それで付属品は何を買った?」
「家族で遊ぶ用にコントローラーを追加して、ゲームパッドも……あ」
「こいつSw〇tch2当たってやがるぜ!」
まさかこんな簡単な誘導尋問に引っかかるだなんて、悲しすぎる。
だよな、の時点でバレてないと思い少し安心してしまったが故のミスである。
「マジで!?」
「遊ばせろよ!」
「お前ん家に行って良い!?良いよな!」
「え……あの……その……」
男子達が殺到して遊ばせろと言って来た。
予想通りの展開、いや、予想以上にプレッシャーが半端なかった。
中には同じクラスになってから一度も話したことがない男子も混じっていた。
これから毎日こいつらが押し掛けて来て、俺のSw〇tch2が占有されてしまうと思うと悲しかった。
断固として断りたかった。
そんなことを言えるようであれば陰の者などやっていない。
仕方なく流されて『はい』か『YES』を選択しようと思った時、更に予想外の展開が襲って来た。
「ねぇねぇ、橘君。アタシらも遊びたいんだけど」
「え?」
それはクラスのカーストトップのギャル、桜井さんだった。
大騒ぎだった男子達の動きが途端に硬直した。
「ちょっ、俺達が先に予約してるのに」
「あぁ?なに?アタシらに待てって言うの?」
桜井さんは男子達の抗議をばっさりと斬って捨てた。
彼女は男子への当たりが強いので男子達は苦手としているんだ。
「よ、よ~く考えたらそんなに焦る必要無かったよな」
「そうそう、別に少しくらい待っても逃げないしな」
「その間に他の誰かが当たるかもしれねーし」
このチキン共が。
そこは堂々と戦えよ。戦ってください。お願いします。
だって超怖い桜井さんにSw〇tch2を奪われるだなんて最悪だもん!
桜井さんは数少ない、寄こせって言ってきそうな人。
もしも貸したらいつ返ってくるか分かったものじゃないし、返せだなんて言う度胸も無い。
こんなのあんまりだよ神様!
「じゃあ橘君。今日の放課後、あたしら君ん家行くから」
「え?来るの?」
てっきり貸せって言われるのかと思ってた。
いや、でも、え?
「何か問題でも?」
ありすぎるでしょ!
俺って男子だよ。
年頃の高校生女子が、男子の部屋に来ちゃって良いのか。
あたしらって言ってたから複数人が来るとは思うけど、それでも良くないでしょ。
これが好きな人とかクラスの美少女とかなら、良い方向に胸がドキドキするのだが、相手は男子を蔑ろにする桜井さんとその仲間達だ。俺を無視してゲームで遊びまくるだけで、俺の家なのに居心地が悪くなる未来が見えてはいる。だとしても女子として男子の家に遊びに行くのはどうなのだろうか。
もちろんそんなことを確認する勇気など俺には無い。
「な……無いです」
「そ、じゃまた後で」
ということで、俺の家が彼女達の遊び場になってしまうことが、この時に確定してしまったのである。
ーーーーーーーー
「よし、もう一戦やろうぜ」
「次こそは勝つ!」
「ちょっと待ってキャラ変えるわ」
「キャラ変えたって雑魚運は変わらないって」
「ざ~こざ~こ」
「うっせ、見てろよ」
まるで男子達の会話のようだが、残念ながら俺の部屋に陣取った桜井さん達の会話である。
当然、俺はその会話の中に含まれていない。
「はぁ……」
彼女達にバレないように、俺は部屋の隅に座って小さく溜息を吐いた。
彼女達を連れて帰った時の母親の反応が頭をちらつく。
『ちょっと、一誠。こんなに女の子を連れて帰るだなんてどうしたのよ』
『いや、その、ゲームやりたいって……』
『女っ気が全く無いから心配してたけど、まさかハーレム作る甲斐性があっただなんて』
『そういうのじゃないって!』
『若いうちは沢山恋をしなさいって思うけど、一度に複数人ってのは感心しないわよ』
『だから違うって言ってるのに!』
当然、彼女達もその話を聞いている。
後で絶対に桜井さんに凹られるかと思っていたら、何も聞いてなかったかのように何も言ってこなかったのが不思議だった。完全に眼中に無いということだろうか。
「はぁ……」
気になることはもう一つあり、二つ目の溜息が出てしまった。
俺の家にやってきた女性陣は四人。
一人は桜井さん。
もう二人は桜井さんの友人で、さっきから軽口を叩き合って楽しく某レースゲームをプレイしている。
ここまでは予定通りだから問題ない。
気になるのは最後の一人だ。
クラスの委員長女子。
かなり小柄で眼鏡をかけていて真面目そうな彼女は、寡黙で教室で本を読んでいることが多い。
桜井さん達とは属性が全く違い、関わっている所なんて見たことも無いのに、どういう流れでここに居るのだろうか。
「…………」
彼女はここでも無言でプレイしていて、その顔も少し強張った感じで楽しそうには見えない。
まさか彼女達にいじめられているのではないだろうか。
そう思わなくも無かったが、俺の家に来ることがいじめレベルの苦痛だと思われているだなんて考えると病みそうになるから強引に違うと判断した。そもそもそれだったら一人で来させるだろうしね。
しかし委員長下手だな。
桜井さんの友人の一人があまりのクズ運でラスを引いているが、それが無ければ委員長が常にラスだろう。
あ、やば、委員長と目が合った。
見られて気持ち悪いとか思われたらどうしよう。
慌てて目を逸らしたが遅かった。
「橘君」
これまで一言も発しなかった委員長が、俺を呼んだのだ。
「な、何?」
「スタートダッシュのやり方が分からないから教えて欲しい」
なんだ普通にゲームのアドバイスが欲しいだけか。
でもどうして他の女子じゃなくて俺に聞くのだろうか。だって他の娘はスタートダッシュ出来てるのに。
桜井さん達は委員長のお願いを聞いてないかのように無反応。
なら俺が教えても変じゃないよな。
ということで普通に俺が教えてみた。
桜井さん達は特に気にせず世間話を続けている。
「良く分からない」
「え?」
かなり分かりやすく説明したつもりなんだけど。
これ以上どうやって説明すれば良いんだ。
そう頭を悩ませていたら、委員長がとんでもないことを言って来た。
「橘君が押して」
「押す?」
「そのタイミングで私の指を上から押してくれれば、分かると思う」
「え!?」
それってつまり、コントローラーを持つ委員長の指を上から押せと言っているのだろうか。
女の子の指に触れと言っているのだろうか。
異性に免疫が無く、こうして女性陣が俺の部屋にいるだけでブルってる俺に、やれと言うのか。
ごくり、と何故か生唾を飲み込んでしまった。
「い、いいの?」
恐る恐る聞いたら、答えは別の所からやってきた。
「早くやれよ。待ってるんだからさ」
桜井さんが急かして来たのだ。
ここで彼女の機嫌を損ねてしまったら、明日からクラスでの俺の扱いが酷い物になってしまうかもしれない。そう思うと断れず、慌ててベッドに腰かけていた委員長の隣に座った。
ち、近い。
女の子と肩が触れそうな距離でベッドに座ってるとか、なんか、その、背徳感がやばい。
相手が恐怖の桜井さんとかじゃなくて、大人しい普通の女子の委員長ってのがまた胸のドキドキを加速させる。
「そ、それじゃあ、触るよ?」
「う、うん」
委員長の顔をチラっと見ると、仄かに頬が紅くなっているように見える。
まさか彼女も意識しているのだろうか。
恥ずかしいのなら何故こんなことを俺に依頼したのだろうか。
混乱するが、桜井さんがゲームを始めてしまった。
仕方なく俺はそっと委員長の指に触れ、スタートダッシュを成功させた。
ふぅ。
これで俺の役割は終わりだ。
今の一回でタイミングを掴んでくれれば、彼女はもう俺にこんなことを依頼しなくなるだろう。
俺はレースの邪魔をしないように、こっそりその場から離れようとした。
「ま、待って」
「え?」
「上手く運転が出来ないから、それも教えて欲しい」
確かに彼女は今回も後方を走っている。
このままではまた下位に沈んでしまうだろう。
「で、でも教えるって言われても」
「さっきと同じように私の指を押して」
そう言われても、スタートダッシュはタイミング良くボタンを押すだけだから簡単にフォロー出来たけれど、運転は細かな指の動きが必要だから隣から俺の指を添えて操作しても上手くは教えられないだろう。かといって口でどうしろと説明しても、簡単なスタートダッシュすら理解できなかった委員長が分かってくれるとは思えない。
一体どうすりゃ良いんだ。
でもここでフォローしないと桜井さんに女子のお願いを聞かない酷い奴だなんて噂を流されかねない。
悩む。
ひたすら悩む。
だが無情にもゲームは進み、残された時間が少なくなってくる。
次のゲームの開始からフォローするということで許して貰えないだろうか、だとしてもどうやってフォローすれば良いか分からない。
そんなことを考えていたら、委員長が先に動いた。
「橘君。足を少し開いて」
「足を?」
言われた通り、ぴっちりとくっつけていたふとももを少しだけ開いた。
「お、お邪魔します!」
「え!?」
委員長が俺の足の隙間に座って来たんだけど!?!?
「い、いい、委員長!?」
俺の目の前には委員長の後頭部がある。
つまり俺はベッドの上で委員長を背後から抱き抱えるかのような体勢になってしまっているのだ。
「は、はやく、手、てて、手を、フォロー、して」
委員長もパニくっているのか、言葉遣いが乱れに乱れている。
というか、この体勢でコントローラーの持ち手をフォローするってことは、背後から委員長の前方に手を回す必要がある。
それじゃあ本当に抱く形になっちゃうじゃいか!
「委員長!?」
「い、いいから、は、早く、お願い」
顔が見えなくても委員長の顔が真っ赤になっているのが分かる。
でもどうしてそこまでして俺にフォローを求めるんだ。
ふと桜井さんを見るとニヤニヤしながらこっちをチラ見していた。
まさか本当にいじめられているのか?
俺と接触しろと命令されていて、こんなことをやらされているのか?
だとすると許せない。
いくら俺が陰の者といえど、これからのクラスの立場が悪くなろうと、委員長を辱める仲間になどなれるわけがない。
とはいえまだこれがいじめと決まったわけではない。
だから俺は委員長に聞いてみることにした。
委員長の耳元へと口を近づけ、桜井さん達に聞こえないようにそっと聞く。
「委員長」
「ひゃああああ!耳元で話さないで!」
おっと委員長は耳が敏感だったのか。
悪いことをした。
でもこうやって話さないとダメなので我慢してくれ。
「少しだから我慢して」
「うう……」
「桜井さん達にいじめられてこんなことをしているの?」
俺のその質問に、委員長の身体が硬直した。
そしてすぐに顔を物凄い勢いでぶんぶん横に振り始めた。
あぶね。
俺の顔に当たるとこだった。
「ぜっっっったいに違うから!その勘違いだけはぜっっっったいにしないで!」
「え……あ、うん」
まさかここまで猛烈に否定されるとは。
しかも少し怒気が混ざっている気がする。
委員長がいじめられているわけではないと分かりほっとした。
でも怒らせてしまったかなと不安になった。
更にはいじめで無いならやっぱりどうしてこんなことをしてくるのか分からず困惑する。
情緒がぐちゃぐちゃになりそうな俺の手を、委員長は強引に取った。
「早く教えて!」
一旦コントローラーから手を離して俺の両腕を前へと移動させ、そして再びコントローラーを手にしてフォローしろと依頼して来たのだ。
困惑する俺は流れのままに委員長の指に触れ、ゲームをプレイする。
委員長の背中が密着して温かい。
後頭部から女の子の良い香りが漂ってくる。
前に回している腕が委員長の腕に所々触れて柔らかい。
「やった。三位だ」
煩悩を激しく刺激するこの状況で、どうにかレースで上位に入った俺を褒めて欲しい。
「あ~あ、負けちゃった」
その代わり、これまで調子が良かった桜井さんが最下位になっていた。
これで不機嫌になって俺への当たりが強くなったらどうしよう。
何しろ俺の今の体勢は委員長とイチャイチャしているように見えるのだ。ゲーム中だというのに、彼女達のことを放ってイチャついていると思われて敵視される可能性は大いにある。
だが桜井さんはそうはしなかった。
それどころかニヤニヤしながらとんでもないことを言い放ったのだ。
「あたしも橘君にフォローしてもらおっかな」
「は!?」
まさか桜井さんが俺の足の間に座って、俺が桜井さんを抱くようにしろってことか!?
まるで桜井さんが嫉妬して俺にそうしろと言っているようなセリフではあるが、彼女の表情はいたずらしているようなニヤニヤ顔のままで全く照れた様子が無い。
驚きはしたが、揶揄われているだけだとすぐに気付いた。
俺が困惑している様子を楽しみ、本気でそれをやろうとしたら『馬鹿じゃないの?冗談に決まってるじゃん』だなんて冷たい顔で突き放すに違いない。
しかし俺のその想定は間違っていた。
揶揄われていたのは俺では無かったのだ。
「ダメ!橘君には私のフォローをしてもらうの!」
「委員長?」
まるでお気に入りの人形を取られないように必死で守ろうとする子供のように、委員長が俺を桜井さんに渡さないと強く宣言したでは無いか。
「委員長にそこまで言われたらしょうがないかな。橘君は委員長のものだね」
俺が、委員長のもの?
それってゲームのフォローをする人としてってことだよな。
なんて無粋な鈍感男にはなれやしない。
だって委員長の耳が真っ赤なんだもん。
それにやっぱり好きでもない異性を相手にこんな態勢をとる女子なんていないだろう。
「ん~、遊んだ遊んだ。楽しかった。んじゃそろそろあたしらは帰ろうか」
「そだね。委員長は残ってて良いから」
「そんじゃまたね」
待って待って。
委員長のことを意識したタイミングで委員長だけ残して帰るのは色々とまずいって!
「お、送って……」
「おい。この流れでそれは無いだろ」
「あ、はい」
立ち上がって見送ろうと思ったら、桜井さんにドスが効いた声で制止させられてしまった。
それゆえ硬直してしまった俺は、目の前の委員長を背後から抱いた体勢のまま自室で二人っきりになってしまった。
「そ、そろそろこの体勢は……」
「こ、コンピュータと対戦して練習したいから引き続きフォローして」
「え?」
委員長さん。
思春期男子を甘く見ておりませんか。
俺は陰の者で、女子と普通に楽しく会話するなんて不可能なタイプの人間だ。
だがそういう者こそ異性に対するやましい気持ちが強かったりするものだ。
そんな人間に抱かれたままで良いだなんて、あまりにも危険すぎる。
「そ、その。流石にこの状況が続くと我慢が限界というか、その……」
「な、何の我慢?」
「それ聞いちゃう?」
「お、教えて、欲しいな……」
委員長が俺の腕を優しく抱いた。
すると当然ふくよかなアレに押し付けられることになり、理性が壊れそうになる。
『誠一!お母さん買い物に行ってくるから!』
しかもこのタイミングで家の中で二人っきりになってしまったではないか。
激しく胸が鼓動する。
委員長の背中を通じて俺の緊張が伝わっているだろうか。
やがて委員長はゆっくりと振り向き、真っ赤になった顔を俺に見せてくれた。
「橘君、好きです」
その言葉に俺の理性が完全崩壊したのは言うまでもない。
ーーーーーーーー
「それじゃあ、桜井さん達って委員長の恋を後押しするために俺の家に来たんだ」
「うん」
あの日から俺と委員長は付き合いだした。
付き合うといってもやることはもっぱらゲーム。
体勢はもちろん決まっているけれど、俺が彼女のフォローをすることはなく、それぞれがコントローラーを持ってプレイしている。
委員長って本当はフォローなんて必要ないくらいゲームが超上手いんだもん。
俺とくっつくためにわざと下手なフリをしてたらしい。
「ちょっと負けそうだからって胸に触らないでよ」
「気のせい気のせい」
「変態」
抱かれるこの体勢を毎回希望する委員長の方がよっぽど変態だと思いますよ。
「さっきの話だけど、もしかして桜井さんって良い人なの?」
「そうだよ。知らなかったの?」
「だって男子への態度めっちゃキツイじゃん」
「あれは変に絡まれないように虚勢張ってるんだって」
「マジか」
だとすると今まで怯えてたのを謝って、今回のことのお礼を言わないとな。
「そんなことより橘君」
「何?」
「Sw〇tch2が当選し、こんなに可愛い彼女も出来ちゃった超幸運な橘君」
「だから何だよ」
委員長が自分で言うように本当に可愛いかどうかはもう俺には分からない。
だって恋人補正で可愛く見えるに決まってるからな。
以前は可愛いという印象が無かったけれど、それって彼女が俺と同じクラスだからずっと緊張して顔がこわばってたからだったらしい。
どうしてそれほどまでに俺のことを好きになってくれたのかはまだ教えて貰ってないが、いずれ分かるとのことだ。
「委員長、じゃなくて名前で呼んで欲しいって言ってるのに、どうして呼んでくれないのかな」
「だってなんか気恥ずかしいし」
「私だって恥ずかしいんだよ、誠一」
「わ、分かったよ、梨華」
そうやって名前を呼ぶと、委員長、梨華はまた俺の腕を胸に押し付けて喜んだ。
Sw〇tch2の当選がバレた時はどうなるかと思ったが、まさか更なる幸運が舞い込んでくるとは、人生どうなるか分からないものだな。
Sw〇tch2欲しい。
バナンザやりたい。