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第40話 イケメンにはなれないのさ

 このおじさんボディだって邪神パワーでテキトーに作れたんだ、新しい身体くらいどうとでもなるのである。

 気分はゲームのセカンドキャラのキャラクターメイキング。


 しかしここでネックだったのがゲームと違い全てを私が細かく考えて造り込みをする必要があったことだ。


 おじさんボディの時は自前だったので記憶を辿れば一瞬で構築する事が出来たマイボディ。

 しかしこの新しい身体はこんな何処にでもいる普通のおじさんボディでは駄目なのだ。


 もっとこう、強そうで偉そうでかっこよさもあるみたいな…。

 簡単言えばゲームのラスボス感のあるヤツが理想だ、絶対に中の人がこんなおじさんだとバレる可能性がない強そうなアバターを頑張って作ってる。


「おおっなんか姿の輪郭が見えて来ましたね」


「静かに、これはとても集中力が必要な作業なんですから…」


 よしっ良い感じだ。

 形は二足歩行する人間そのもの。

 但しおじさんボディと違いそのボディラインはスマートで身長はニメートルと大きな外国人クラス。


 お腹もボテッとなんてしてなくて腹筋もバキッと出ていて逆三角形、しかしてボディビルダーまではいかないソフトマッスルだ。

 動きやすさとかパフォーマンスを重視した。


「おおっなんか身長高いッスね、なんでこんなに足を長くしたんですか? まさかこれが理想の自分ってやつなんッス?」


「いえっ違いますね、まず今の私とかなり見た目が違う姿をイメージしました」


「なる程~けど、顔がないッスよ?」


「……………」


 そうなんだよね。

 自分で動かすアバター、それをわざわざブサイクにする理由はない。

 しかしイケメンにすると途端にイメージが出来なくなるんだよな。


 そこが苦戦していた理由、仕方ないので顔は不安定な黒い闇のままにして判別不能にしておいた。

 目とか口とかなくても実は平気な私、アバターだから問題ないのだろう。


 ちなみにこれには邪神デバフとか使ってないし、何なら作り込みの時もおじさんボディ以上に邪神パワーを込めて作ったので多分強くなってると思われる。


 そんな訳でアバターの外見は創造完了だ。

 次は服装、つまりは衣装を何にするかか……。


「服装は………あっそう言えばこれもあったな…」


 『業を食らう魔道化まどうけの仮面』と『暗夜の外套ローブ』。

 これを買う前に新しいアバターを作る事を思いついていれば……。


 はぁっ…まあ後悔しても仕方ない、払ったお金の分は何かに役立てないと気が済まない人間なのでこれもリサイクルしてみるか。


 先ずは服装だがリーマンスーツ…だとちょっと安っぽいのでフォーマルスーツ姿をイメージした。

 まあそこまで違いはない。


 しかし足が短くスタイルも全体的に良くないおじさんが着れば何となくお疲れ気味な雰囲気を持つスーツもスラッとした高身長なこのニューボディが着ればかなり様になっている。


 スーツスタイルとは本来こう言う格好良さがあるのだと、分かったかこの胴長短足野郎とこのフォーマルスーツが訴えてくるようだった。


 靴も革靴のピッカピカのブラックだ。

 こんなの前世で一度も買おうとすら思わなかったレベルのをイメージして作った。


 何気にこの邪神スキル、滅茶苦茶にチートだ、そろそろこの邪神スキルにも何か名前をつけるか?

 命名、邪神クリエイション。

 これでいいか。


 ニューボディの服装はこれでいい。

 更にこのブラック仮面と黒いマントにも邪神パワーを注入する。

 するとなんか形が変わった。


 ブラック仮面は目元だけでなく頭全体をカバー出来る感じ、更に角とか生えていて青い光のラインが浮かんでいる。


 黒いマントの方は肩にショルダーガードと言うのだろうか、黒いトゲか生えてる黒い金属防具が両肩に出現してしまった。

 更にマントの裏地が青く光を放っている、全身黒いから身体のラインを見せる為か?


 意味が分からないぞ。

 …まあいいかな、どうせ今回以外だとほぼ使い道もない顔面黒男だし。


「これで……完成ですかね」


「おお~なんか黒さと怪しさが留まる所を知らないヤバそうなのが爆誕しましたね!」


「素晴らしいです、まさに世界を裏から牛耳る黒幕として相応しい出で立ちだとわたくしは思います」


 マジですかイゼルさん。

 まっまあ好みなんてそれぞれだ、私は細かくツッコむ事はしない。

 世界も牛耳るつもりはない。


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