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第4話 レッドな見回り兵士

 まあ彼女の話はこのくらいにして、更にこの地下牢空間には色々と精神的にくるものが目白押しである。


 まず日本のテレビで移る留置場とかよりもはるかにここの牢屋は汚すぎる。

 牢屋の中自体からも変なニオイはするし、トイレが併設されているのだがポットン式であり蓋をしてニオイを誤魔化してるスタイル。


 もう今すぐここを出てしまいたい気分になる。


 更には回りを見てみると他の牢屋には手足を失ってうめき声を出す人々やらなんか魔道具っぽいので身体の自由や魔法を封じられてるのではないかと思われる人々の姿も見てとれた。


 彼ら彼女らが一体どんな罪を犯してここに放り込まれたのか知らないが、もう少し人間らしい生活をさせて欲しいと思ってしまった。


 と言うかカルマゲージを確認すると大半がグリーンラインでごく稀にイエローラインがいるくらいなんだけど?

 本当にこの牢屋はどうなってんだ。


 そんなこんなで空気の悪い牢屋で過ごしていると一つ気づいた事がある。

 やはり中世的な牢屋なので一定間隔で兵士が見回りにくるのだ。


 しかしその兵士たちは必ずこの牢屋の方をチラッと見る、そして小さく舌打ちをして帰っていく。


 あの兵士たちは何を期待してこちらを必要以上に見回るのだろう。

 何よりその連中のカルマゲージはなんとレッドラインだった。


 なんで捕まってる人間はグリーンラインで見回りの兵士がレッドラインなんだよ、意味不明過ぎる。


 流石に気になりすぎるな。

 よしっここは邪神スキルで見回り兵士たちの心の中を覗いてみるか。


 本音は嫌悪感すら覚える能力だけどここまで意味の分からない状況だといい加減、情報を得て色々と整理する必要があると感じたのだ。


 と言う訳でその心、覗かせていただく。

 邪神スキル発動!

 邪神……マインドスキャン!

 ふむふむ……成る程ね。


 何となく私は理解した。

 どうもこの金髪美人、この街の偉い人に目をつけられたらしい。

 偉い人は小太りなおっさん、最初は美人だからでスケベ心から。


 その次は自分をあえなく袖にされた事への逆恨みで。

 この金髪美人、貴族とかではないけど優秀な魔導師らしくそんな碌でもない人間とも会う機会があったようだ。


 そして完全な濡れ衣でここに投獄。

 更には何処ぞで浮浪者を拾ってきて同じ牢屋に入れる。

 武器もなく更にはこの牢屋の中では魔法も使えないみたいなのだが…。


 なんかその状況で浮浪者(まあ私だね)に彼女を強姦させるつもりだったらしいよ。

 …なにそれ意味分からんと思った。


 なんか牢屋の中で彼女が暴れればそれを理由に兵士が彼女(とついでに私の)首をはねる算段らしい。


 彼女がそれを見抜いて私に抵抗しないならそれを肴に兵士たちは彼女が襲われるのを眺めて楽しむつもりだったようだ。


 腐ってる、ここの兵士たちは腐ってるね……。

 ここで一つ思い出した。

 『ワールドエンドゴッド』って確かに世界を滅ぼすのが目的のゲームなんだけど、その滅ぼす世界の国々ってね…。


 結構腐ってる国が多かったのだ。

 あくまでネットの話だがとある星の下らない文明社会の碌でもない国々の腐った部分をオマージュしてる、なんて噂もあったんだよね…。


 まあそれはともかくだ。

 何はともあれこの砦の兵士たちは大半がその腹づもりらしく、交代でここに見張りに来ては私が何も行動を起こしていないのに逆にイラついているらしい。


 何でも昼に運ばれて来る食事に変なクスリとか混ぜて無理矢理にでも私を強姦魔に仕立て上げないかとか話し合っているとか。


 これは本格的に駄目だ。

 幾ら中身は普通のおじさんでもここは邪神パワーで何とかするべきだろうと考えてしまうね。


「……と言うか、本当にこの牢屋は何なんだ?」


 あんなのが兵士やってる刑務所とか、普通に考えても色々とおかしすぎる刑務所だろここ。

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