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第39話 第二のアバター

 ハロルドの城での一件から数日が経過した。

 未だに蜥蜴人リザードマンからの報復はないがクイラ、あの謎ばっかりな美女が言うのならおそらく報復はあるのだろう。


 ちなみにウリーズゲルドの現状について話すとハロルドは逃げないように城に軟禁中、常に三人は護衛という名の見張りを付けているらしい。


 ガルベスは騎士団の団長をしながら街の冒険者をまとめているらしい、元は高ランクの冒険者だったそうなので適任だ。


 いきなり出来上がった騎士団だったがガルベスが頭という事で冒険者からは結構期待されてるとか。


 ドルフはその騎士団に入り元同僚や部下たちといった騎士たちを鍛え直しているらしい。


 彼によると自分がいなくなってから明らかに騎士団の質が落ちているとのこと、蜥蜴人リザードマンが攻めてくる前に鍛え直すつもりだそうだ。


 バレットは騎士団で訓練をしながも以前手を差し伸べた街の人々の顔を身に何度もウリーズゲルドの貧民街に顔を出しているそうだ。


 最初はチャラい雰囲気の青年かと思ったが人情に厚い性格をしているようだ、好感が持てるね、きっとモテるに違いない………やっぱ苦手かもね。


 ミーレインは冒険者や騎士や兵士の中にいた魔導師系の人たちを集めて魔法の指導をしているらしい。


 何でも初級の攻撃魔法や防御魔法なら付け焼き刃でも十分に機能するらしく、蜥蜴人リザードマンが動く前に少しでも才能がある人間には習得させたいと言っていた。


 そして私だが……。

 今は世界の外、真っ白な何もない空間にいる。


 背後には真っ黒い太陽みたいな無駄にデカイ浮遊物がある。

 傍にはイゼル。

 更になんと。

「へ~~ここがアビトさんたちの隠れ家ってヤツなんですか? 以前も宝剣に隠れたままの時も来ましたけど本当に意味分からん空間に住んでますよね~」


「……ご主人様、何故この小さな者がここに?」


「いや~なんか絶対について行くと聞かなくて……」


 何とか隙を見てこっちに来たかったのだが、その空気を察したエルに「あの何もない空間に用があるスか?」とバレてしまったのだ。


 そして本人が言うようにそう言えば既に一回、あの短剣を持ち込んでしまっていたことを思い出し、それならもういっかと言う話になったのである。


「当たり前ッス、私はアビトさんについて行きますよ!」


「何故ですか?」


「それは秘密ッス、性格が悪そうな人の質問には答えませんよ」


「……………」


 ああっイゼルが腰の剣を鞘から少し抜いて戻してる、それも何度も。

 多分だがあれはイラッとしてると思うんだ、なんとかしてあげたいがエルが私についてきてる理由とか本当に分からないからな~。


 どうにも出来ない。

 仕方ないので私は自分の仕事に戻る事にした。

 邪神おじさんは仕事をしているのである。


 私の目の前には真っ黒い人型をした何かがか形を成していた。

 まだまだ不安定だ、もう少し良い感じにしたいのだが。


「アビトさん、何をしてるんですか?」


「これですか? これは新しい身体を用意してるんですよ」


「新しい身体ッスか? 意味が分かりませんよ~」


「理解出来ないなら静かに空間の隅っこにいらして下さい、ここは小動物を放し飼いにする場所ではありませんから」


「ぶ~~~嫌な感じッス…」


 何やら空気が悪いちびキャラと美女は置いておこう。

 実は今回の騒動のシメには邪神おじさんがもう少し頑張る予定なのだ。


 しかし邪神おじさんは変に目立って今後ののんびり異世界ライフをパーにはしたくない。

 更にはあのイカレた女忍者の強襲にも備えたい。


 ならばどうするか?

 簡単である、ど派手に暴れられるアバターを別に用意すればいいのだ。

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