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第27話 そんな装備で大丈夫ッスか?

 元からそこまで高くなかった。

 多分効果は本当なんだろうけど、誰も買い手がいなかったんじゃないだろうか。


 体良く在庫処分に使われた形のような気がする。

 まあそれは考えても仕方がない。


 今後は邪神スキルを連発する時は、この『業を食らう魔道化まどうけの仮面』ことブラック仮面と『暗夜の外套ローブ』こと黒いローブを装備するつもりだ。


 しかしそのまま装備するだけでは邪神おじさんの個人情報を完璧に守ってくれるとはやはり思えないのでそこも邪神おじさんなりのフォローが必要になってくるだろう。


 出来れば、年齢、それと種族が人間っぽい事もバレたくはない。

 この世界ちょっとした事で直ぐに人間と異種族が争うからさ、戦争の芽は可能な限り摘んでおきたい。


「毎度あり、装備はちゃんと装備しとかないと意味ないから気をつけるんだぞ?」


「……装備をし忘れる事なんて有り得るんですか?」


 画面越しにプレイしていた骨董品レベルのゲーム時代ならともかく、フルダイブ何ちゃらゲームのこの時代にさ。


「ふふっアビトさん、そんな装備で大丈夫ッスか?」


「……?」


 えっ何をいきなり不安になることをこのちびキャラは言い出すんだよ。

 やめてくれないかな?

 ……これを使う時は邪神パワーで強化とかしたほうが良いのだろうか。


 何故か満足げなちびキャラと女性店主だが、私は不安を煽られたり、いまいち通じない話をされて困ってしまった。


 その後はちびキャラのエルとクイラが私がいる街、ウリーズゲルドやお隣の蜥蜴人リザードマンの国、スケイルノートについてあれこれと世間話みたいな感じで話をし始める。


 私は女子トークを静かに見守った。

 だってとまらないんだもの。

 そして話が一段落した、するとクイラが私に話を振ってきた。


「……あっそれと話は変わるけど、良いか?」


「はいっ何ですか?」


「実はこの『妖精の宿り木』はスケイルノートからもこれる、と言うのも私は街や都市を築き、文化的な生活を送る種族の街々に使い魔を放って色々と情報収集をするのが趣味みたいなもんでね…」


「随分と変わった趣味ですね」


 そう言えばこのクイラの種族って何だろうか。

 普通に見た目は人間の女性だ、しかしこの店といいます結界といい明らかに色々とおかしい。


 それに使い魔を放って情報収集って……どこかの異種族がスパイ活動でもしているかのような真似をしているな。


「ほっとけ、まあ色んなヤツらが集まる場所には面白い事件とかも多いからな、話を知るだけで良い暇つぶしになるんだよ、そんでその使い魔からの情報によるとな……」


「情報……ですか」


「ああっ近々、スケイルノートはウリーズゲルドに向けて報復攻撃を開始する。そしてウリーズゲルドにこれを何とかする力は無い」


「ハッキリと言い切りますね、何か根拠でも?」


「ウリーズゲルドの領主ハロルドは貴族の世界しか碌に知らない馬鹿だ。コペンサー男爵とか言う輩が連れて来たどこの馬の骨とも知れない傭兵団の団長ブリゲインの戯れ言を鵜呑みにして今回のスケイルノートへの侵攻を開始した」


 傭兵団? 確かにそんなのがいたな。

 コペンサー男爵、最近どこかで聞いた名前な気がするけどどこだっけ?


「…その傭兵団の団長とどんなやり取りをしたんですか?」


「たかがトカゲの国なんてウリーズゲルドだけで占領出来るとか『黄緑渓流の山道』の大破壊はそのトカゲの国の魔導師の仕業であるとかだな……後は自分の傭兵団が指揮を執って戦えば確実に勝てるとかって抜かしていたらしいぞ」


「確実に、ですか……」


 ネットのフィッシングメールや有名人を装った詐欺アカウントが他人を騙す時に必ず使う言葉だ。


 絶対、確実、必ず儲かるとか成功するとか云々。

 人間はどうしてそう言う言葉に弱いんだろうか、多分そういう人間が引っ掛かるまで同じような事を詐欺師はしてるんだろう。


 人を騙くらかす事に手間と時間をかける人生か……。

 そんな虚無な人生を生きて詐欺師って人種は何が楽しいのだろうか。

 哀れとすら思えるね。

 許せんけど。

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