現状
舞「まず今この世界についてなのだけれど…説明をする前に今まで貴方が過ごしてきた環境についてを聞かせてもらえるかしら?」
「いままでについて?」
舞「そうね…例えばだけれど貴方今までああいったモンスターは見たことあるかしら?」
「ないかな…ああいうのは初めて見ました…」
舞「そう…いなかったのね」
「あの…舞白さんはああいうモンスターを見たことがあるんですか?」
舞「見たことあるわよ、というよりは一歩村の外に出ればああいうのがウヨウヨといるような所だったわね。だからあまり珍しくもないのだけれど…」
「??なにかあったんですか?」
舞「うーん…とりあえず後で詳しく話すからまずは貴方の状況を聞くのが先かしらね…私もまだこうなってから日が浅くてわかりきってないのよ」
「…わかりました…とりあえず話せるところまで話してみますね」
それから私は今までの環境を話してみる
今までモンスターやそういった物は実在せず、漫画やアニメ、ゲームでしか見たことがないこと自分が住んでいた国について、学校の通学途中に突然大地震に襲われ、気が付いたら化け物が突然溢れかえった事を話した
彼女達はちょくちょく質問を挟みながら状況説明を聞いている。
あらかた話し終えると二人はまた顔を見合わせ少し困った顔をしていた
少しの沈黙の後に慧蓮が口を開く
慧「あー…あの災害以降結構苦労したんだな…」
舞「そうね…私達に取っては想像できない事が沢山あって理解できないところもあったけれど…今の貴方が大体どういった状態なのかはある程度分かったわ、ただ何処から説明したらいいのか…」
今の話を聞いて私の今現在の状態をある程度把握できたようでどこから説明したものかと考えているようだった
暫く考えていたようだがある程度考えに整理がついたのか口を開く
舞「まずはそうね…説明とは関係ないけれどそんなにかしこまらなくていいわよ。疲れるでしょう?」
慧「気を遣うのも疲れるだろ?歳も近いだろうし気を遣う必要ないと思うぜ」
舞「取り敢えずいまこの現状なんだけれど…今の現状を簡単に説明すると各世界の境界線が薄くなったのが原因ね」
「各世界の境界線?」
慧「簡単に言えば元々の異世界同士が何らかの力によってそれぞれの結界、境界線が薄くなった結果交わったって感じだな」
(???え?どゆこと?結界?境界線?)
頭にハテナが浮かぶ
困惑する私に舞白は説明を付け加える
舞「貴方が今まで過ごしてきた現実以外にも世界が存在しているのよ。貴方が話していたアニメや漫画だけれどそういったあなた達からしたら空想かもしれないけれどしっかり異世界として存在していたりするのよ。現に私達はモンスターがいる事が当たり前だったけれどあなたは見たことがない。普通に考えればありえないけれど世界が違っていれば有り得る話ね」
慧「椿の世界では天国とか地獄とか聞いたことあるか?」
「天国や地獄はおとぎ話だけどあるよ」
舞「それも異世界としてちゃんと存在するのよ、天国や地獄、霊界というのも境界線があるだけでちゃんと世界として存在しているのよね。」
「何か私達が思っている以上に凄い話だなぁ…」
慧「まぁこのあたりに関しては生きてきた世界にもよるとは思うんだが椿のいた世界では随分と平和だったんだな」
舞「とりあえず話を纏めると貴方が幻想や空想だと思っていた世界や天国や地獄、霊界はそれぞれ実際に存在していて結界によって隔てられていた筈が今回何らかの問題が起きて結界が崩壊し境界が無くなったことで各世界が交わり多大な混乱と崩壊を招いているということね。それも未だに他の異世界を巻き込んで規模は拡大しつつある。しかも…」
慧「この混乱に乗じて悪事を働く不届き者もわんさかいるおかげで今この世界は終末期状態。正直ここまで来ると誰も対処できない、言うなら終焉世界だ。というかもう世界崩壊ならぬ宇宙崩壊みたいなもんで打つ手なし、ここまで境界がなくなればもう一度結界で元通りに分ける事は天と地がひっくり返っても無理な話だ…世界が拡大され続ける事象を止めない限りは永遠といたちごっこ。となれば私達に出来る事は二択」
舞「新たな世界としてこの終末世界を受け入れて生きていくか崩壊の運命に抗うか」
やれやれといった形で肩を竦めながら話す慧蓮と舞白
慧「二択とは言ったが正直こんな世界でも私達の世界があった事は間違いがないし黙って崩壊していく姿を眺めながら只々生きる事は私達にとっては納得できるものでは無いし受け入れがたいもの。そこで…だ」
二人は立ち上がり私を見る
「「私達と共にこの世界の復興に協力してほしい」」
彼女たちの一言で私の命運をかけた復興計画が始まる
名付けて
(異世界復興計画)
この崩壊へと向かう世界で仲間を増やし共に平和な世界を作り上げる復興計画が今始まるのである
ギャグあり、シリアスあり、涙ありの復興物語