目覚め
?「………い」
?「……な……さい」
何処か遠くから声が聞こえる気がする
とてもふわふわとした感覚がある
私は突然の地震と共に現れた化け物達によって街はめちゃくちゃになり徘徊していた化け物に襲われた
最後は自身の油断により命を落とした
……はず
?「起きなさい!」
遠くで聞こえていたはずの声がはっきりと声が聞こえた
「……え?声?」
パチっと目を開ける
女の子が覗き込んでいた
?「あ、やっとおきた」
「………夢?」
頭はまだフワフワとしている
?「夢じゃ無いわよ」
起き上がって周りを見渡す
周囲は見渡す限りの大自然
私が透明な何かに飲み込まれる前に見た景色は崩れかかった建物や荒廃した町並みである
まさか転生したとでも言うのか?
そんな事があり得るのか?
思考が追いつかない
そんなことを考えているとまた声をかけられた
?「あんたこんなところで何してるのよ」
問いかけられる
こんなところで何をしていると聞かれても私にもわからない
死んだと思ったら生きててしかも見覚えのない所で寝ていたのだ誰でも混乱する
?「??どうした?何処か具合でも悪いのか?」
女の子の後ろからもう一人女の子がヒョコっと顔を出す
?「確かに顔色悪いわね、モンスターにでも襲われたのかしら?」
その一言にはっとする
いまこの彼女は確かにモンスターと言った
心配したように膝をついて顔を覗き込んでくる
?「ねぇ…さっきから黙ってるけど本当に大丈夫?顔色悪いわよ?」
さっきから黙り込んでいる私に声を掛ける彼女
いつまでも黙っているわけにはいかないので聞いてみることにした
「あ…あの…ここはどこですか?私…透明な化け物に襲われて…それで死んだと思ったらここにいて…!私も何があったのかわからなくて…!」
その言葉に彼女たちは驚いた様子顔を見合わせる
暫しの沈黙の後口を開いた
?「なぁ、お前ぶっ倒れる前の記憶あるか?」
そう聞かれる
信じて貰えるか分からないが今まで起こったことを覚えている限り説明した
大地震が起きたこと、その後に得体のしれない化け物が襲ってきたこと
透明な何かに飲み込まれて意識を失ったこと全てを話した
彼女たちは黙って話を聞いていた
話を聞き終えると今度は彼女達が話し始める
?「恐らくの話だけど貴方は確かに一度死んだ可能性があるわね。何らかの力が干渉して蘇った可能性は今のこの現状だとあり得る話だわ」
彼女の答えを聞いて何か知っている様子である事を察した
そして今言った蘇ったという言葉
信じ難い話ではあるが現状何が起きるか分からない今の状況ではあり得る話である
真剣な顔つきから彼女は嘘を言っているようには見えない
ますます混乱する
(一度死んだ…?やっぱりあの時…でも何で…)
そんな考えがグルグルと巡る
?「とりあえずここじゃ落ち着いて話も出来ないし移動しましょう…そういえば貴方名前は?」
名前を聞かれる
「天嶺 椿です」
そう答えると彼女たちも名乗る
?「そう、椿ね、私の名前は神楽 舞白よそしてこっちが」
?「夜桜 慧蓮だ!よろしくな!」
舞「取り敢えずちゃんとした自己紹介は後にして移動しましょう、モンスターは昼でも動くものがいるけれど夜になると更に活発化するのよ。ここから少し離れた所に私達の隠れ家があるからそこまで移動しましょう、立てる?」
立ち上がると体に違和感を感じた
自分の身体ではないようなふわふわした感じがする
彼女たちの言うように具合が悪いのかもしれない
暫くすれば治るだろうと思い彼女たちと共に移動することにする。
暫く歩いた先に洞窟がある
その奥の方に行くと扉があり中に入ると外から見るものと違って中は普通の家のようだった
天井には穴が空いているのか夕暮れの光が外から入り込んできていた
舞「さて…とりあえず安全な所に移動できたところで今私達の知り得る現状と貴方について話しましょう」