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油断 薄れゆく意識

(不用心だった!!油断した!!!)

そう思うも時すでに遅し


なんの考えもなく走り出した己を呪いたい


周囲に化け物が居ないと思っていた

だが外に居ることに不安や恐怖はある

一刻も早く建物内に入る事で頭が一杯になっていた


自宅に引き返すことも考えたがいずれ物資がなくなればこの地を離れることになる

ならばこの地を離れ転々と歩くほうが良い

どうせ安全なところなど無いのだ


走り出した時何かが降ってきた

ユラユラと蠢いているのが視界に入る


透明な何かがいる


このとき直ぐに引き返していれば良かった


透明な何かの中心部分に何かある


私は気になって近寄ってみる


近寄って初めて気が付いた


透明な何かの中に有るのは


【人の手】だった


ヒュッっと息を飲む


その生き物は音を立てることなく中の物体を泡立てながら溶かしていく


私に気が付いたのかゆらゆらとこちらに近寄ってくる

無音である


その様子に固まる

背後からヒヤリとした冷気を感じた


後ろを振り向くと


居たのだ


透明な何かが


一体だけではなかった

気が付くと複数いた

ゆっくりと近付いてくる


もっと早く気がつくべきだった

化け物は一種類だけではなく複数いた

そのすべてが音を発していた

だから化け物は全て音を出すものだと思いこんでいた

何故無音の化け物も居ると思わなかったのだろう

何故好奇心に負けて近寄ってしまったのだろう

今この地にいるのは知る限り化け物と自分だけ

動いているものは化け物しか居ないのに何故近づいてしまったのか

後悔しても遅い


眼の前に迫る化け物

ヒヤリとした何かが肌に触れる

ゆっくりと全身を包みこんでいく

不思議と苦しくはない

痛みや苦しみが無いのがせめてもの救いだと思った

麻酔成分が含まれているのか段々と眠くなっていく

薄れゆく意識の中最期に見たのものは崩れた建物と温かい太陽の光だった

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