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8pt 下僕ゲットですわ!

「やぁ。初めまして。君が光ちゃんだよね?僕は紫金(しがね)作弥(さくや)。よろしくね!前から君の話を聞いてて、どんな関係性でもいいからぜひとも君と仲良くなりたいって思ってるんだ!……どうかな?」


そんな危機感の足りていないような言葉。

その言葉の主は、金髪の爽やかな笑みを浮かべた幼児だった。幼いながらに整った顔立ちをしていて、将来の美形の片鱗がうかがえる。


 ――物がたりの悪役令嬢なんかは、こういう段階でバッキューンされちゃうのかな。


光は他人事のようにそんなことを考える。

というか、実際彼女にとってはかなり他人事あった。悪役令嬢らしくする必要はあるが、特に目の前の幼子に惚れるような性格はしていない

せいぜい、彼の言葉を利用して、


「どんな関係性でもいい?ではあなた、私の下僕にでもなってくださる?」


なんて言うくらいである。

せいぜいからかって周囲の大人たちには容赦なく揚げ足取りをしてくる警戒すべき相手だと知らしめることができればいい。くらいのつもりだったのだが、


「ん?げぼく?よくわかんないけど、仲良くなれるならそれでいいよ!」


「あら。そうですのねぇ~」


まず下僕という単語を彼が知らなったため、あっさりと受け入れられてしまった。光は幼児相手にやりすぎたかもしれないと少し焦りを憶えつつもなんとか棒読みで中身のない返事を。

それから、ちらりと横目で保護者たちの表情を確認し、


 ――うわぁ。がっつり注目されてて話は聞かれてたね。あの顔面蒼白になってるのが紫金家の人間かな?こんな大勢の財閥関係者に聞かれちゃったから後の処理をどうするかってすごい慌てて考えてそう……うちの父親は平常運転かな。良い笑顔で親指立ててきてるし。


表面上そう見せているだけかもしれないが、とりあえず今回の行動が黒金財閥へ悪影響を与えるということはなさそうだ。

どちらかといえば、運よくとはいえ紫金財閥を不利な状況に追い込んだことで評価が上がっているかもしれない。


《悪役令嬢ポイントを40pt獲得しました》


そして、悪役令嬢ポイントまで手に入れてしまった。

しかもその内容が40pt。

普段獲得する際は1ptばかり。というか1pt以外経験したことがなかったので、光としても非常に驚きだ。


 ――下僕を作るっていうのがポイント高かったのかな?


「では下僕。質問があるので答えなさい。あなた私と仲良くなりたいと言ってきたのは、親から言われたからですの?」


「え?あ、それは、その、秘密というか……」


とりあえず光は相手が下僕である間にいろいろと手を打つことにした。今のうちに相手の持っている情報を引き出してしまうのだ。

質問された側は親から一応口止めされているようだが、


「あら。下僕は隠し事なんてできませんわよ。話しなさい」


「え?そ、そうなの?」


「そうですわよ。私が主人であなたが下僕。下僕というのは主人の命令にすべて従い、一切逆らわない存在ですわ」


「そ、そうなんだ………じゃあ、秘密にできないね。光ちゃんに仲良くなるようにって、お父さんから言われたんだよ」


お父さん。

その言葉を聞いて、もう1度保護者の面々の観察を行う。

顔面蒼白にしていたのはお父さんと呼ばれるには少しお母さんよりな見た目に見えたため、光はその隣にいる難しい顔をしたものが彼がお父さんと呼ぶ存在なのではないかと予想する。


 ――まあ、この世界の価値観がどうなってるか分からないし、逆の可能性がないわけではないけど……でも、そうなった場合確実にややこしいよなぁ。まあ、ややこしくできる分財閥にとっては利益なのかもしれないけど。


情報を守るという意味では、トップの様子を外から見て分かりにくくするというのは大切だ。

だからこそ光は関係性を深読みするわけだが、


「皆さんご注目ください」


その考え事と紫金令息との会話は両方中断されてしまった。

ステージに上がった司会者が、この交流会の開会を宣言し、色々なルールやら何やらを説明し始めたのである。

もちろんそんな説明など大抵のものが、


「あっ。それ僕のぉ!」

「はぁ?うるせぇ俺様に命令するな!!」

「ちょっとうるさいんだけどおおおぉぉ!!!!!!」

「「「「うるさいのはお前だ!!!」」」」


聞いているわけがない。

光も適当に子供たちのじゃれあいに巻き込まれないようにしつつ、椅子に座り紅茶を楽しみつつほぼ話は聞き流した。

ちなみに彼女が挨拶を交わせた中の1人が率先してじゃれあいに参加して暴れまわり、2人がそばを離れて傍観している。

紫金家の子息、つまり彼女の下僕正義感が強いのかじゃれあいを止めようとしていたが、逆に巻き込まれそうになっていた。


「うぅん。子供は元気があっていいねぇ」


司会者も若干苦笑いしているように見えた。

それでも司会者は話を続け、


「じゃあ、ちょっとゲームをしまぁす!」

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