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3pt ポイントがもらえない時

 ――なんかポイント結構たまってるけど、どうしよう。


光の悪役令嬢ポイントは、すでにかなりの量たまっていた。それこそ、50ptすら超えている。

これを使えば、スキルと交換も可能だった。

だが、だからと言って無駄遣いするのはよくない、いくら簡単にポイントが溜められるからと言って、彼女は命がかかっているのだ。油断などできない。


 ――序盤で選ぶ必要があるものって、やっぱり成長系のチートだよね?


最初に選びたいのは、積み上げていくことで有利になる能力。

例えば、こんなものを選ぶことができた。



『効率学習』:あらゆる学習を行う際、自身を学習に最適な状態へ移行する。

『一を聞き二を知る』:すべての学習において理解力が2倍になる。



『効率学習』は50pt。『一を聞き二を知る』は30ptで獲得できる。

これら以外にもいくつも候補となるスキル類はあるのだが、とりあえず今回選んでみるのは、


《『一を聞き二を知る』を獲得しますか? Y/N》


彼女の目の前に現れる確認画面。

迷わず光はYesを選択。


《『一を聞き二を知る』を獲得しました》


取得の際どういったことが起こるのかもわかっていなかったため、比較的ポイントの低かった『一を聞き二を知る』を選んだ。

特にこれといった不具合なども起きなかったが、スキルの獲得による変化も実感はできなかった。


 ――うぅん。とりあえず取得できることは分かったし、次は変化が分かりやすいスキルを取ることにしようかな。


残りのポイントは20ptより少し多いくらい。

その中で自分が変化を実感できて、なおかつ周囲へ不審に思われないようなスキルを選択する必要があった。

数分候補となるスキルをじっくりと吟味した後、


《『一瞬の違和感』を獲得しました》


「あぅ~」


スキルを取得し、すぐに使ってみることに吸いる。

光は最近恒例となっているタオルケットの投げ捨てを行ない、スキルを発動する。すると本当に少しの間だが、タオルケットが空中で静止した。


 ――うん。実際に使えてるね。


スキルの効果は実感できた。

今回彼女が取得したスキルは、



『一瞬の違和感』:対象の時間を1秒間だけ止めることができる。クールタイムは10秒。



10秒経つたびに何か1つのものの時間が止められるようになる。そんなスキルだ。

正直暫く使いどころがなさそうなスキルではあるのだが、残りのポイントで取得できる中で条件に合うだけでなく今後使えそうなものがこれくらいしかなかったのだ。


 ――さてさて。実際にスキルが効果を出すのも分かったし、今後のためにも新しいスキルの取得をしようかなぁ。


できるだけ今のうちに成長チートと言われるタイプの能力は取っておきたい。

ということでまた始まるのが、


「お、お嬢様。今日もなのですか」


「あぅ~」


地面に落ちたタオルケットを使用人は苦笑いしながら拾い上げる。

タオルケット落としによる悪役令嬢ポイント稼ぎが始まったのだ。光はまさに赤子らしい何も分かっていないという表情で使用人を眺めた。


だが、ここで新しい発見と問題があった。

それが、


 ――あれ?ポイントを獲得できる時とできない時がある?


そう。少しずつだが、使用人が落ちているタオルケットに気が付いてもポイントが得られなくなってしまったのだ。

最初こそ同じことを繰り返していると何かシステム的な判定でおかしくなるのかと考えたのだが、途中でそうでなかったことに気づく。

それが、


「あっ。今日もですね」


いつものようにタオルケットを拾いあふぇる使用人。

特に今までと変化がないように思えるが、大事なのは()()()()()()()というところだ。

光があまりにもタオルケットを落とすことを繰り返したせいで、使用人も少しずつ慣れてきてしまった。その結果、不快にも感じなくなりポイントが得られなくなってしまっている。

というのが光の考察だ。


実際その考察は間違っていないように光は感じた。

まれに使用人以外にも家族が来たりするのだが、それで落ちているタオルケットを拾っても何もポイントは得られない。

そのとき家族は微笑ましいものを見るように光を見てタオルケットをかけてくれる。その表情からは一切不快そうな様子が見られないし、だからこそポイントが得られない。


 ――何を不快に感じるかなんて人によって違うし、それも仕方のないことではあるのかもしれないね。でも、困ったなぁ~。このまま続けてるといつかは使用人からもポイントを得られなくなりそう。


そうなると、ポイントが得られなくなってしまう。

将来のことを考えればそれは避けたい。となると、


 ――新しい稼ぎ方を考えないとだめかなぁ?


それが1番必要な手であるように感じられた。

まだまだ彼女の悪役令嬢としての道のりは険しい。

それでも、時間の猶予はある。その時間をいかに有効に使えるかがカギだった、

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