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21pt それぞれの学校生活

取り巻きも大量に得られたし、成績に関しても一切問題はなかった。光の学生生活はまさに順風満帆。

なのだが、


「うへえええぇぇん!もうやだよ光ちゃん!学校いぎだぐないぃぃぃ!!!!」


「あぁ~。はいはい。大変ですわねぇ」


光に泣きつく少女。その名は赤金(あかがね)小百合(さゆり)。赤金財閥の令嬢にして、光の取り巻きの1人である。

彼女も光と同じように小学校へ入学した。

だが、彼女は光のように学校でうまくやることはできなかったのだ。


「いじめとは………民度の低い学校ですのね」


「よくわかんないけど、気に入らないんだって………」


小百合は入学した学校でいじめを受けていたのだ。

元々性格的に引っ込み思案なところもあったりするため友達を作れず、そんなぼっちはいい標的だったようだ。

彼女とて光のように財閥の中の企業のちょっとしたところの社長の娘として戸籍を作って通っているらしいのだが、


「よりにもよっていじめの主犯格が社長の愛人の娘とは………」


頭の痛い話だった。

いじめを訴えても社長側がまともに対応しない、というよりむしろ「財閥の令嬢であるあなたがそんなことも解決できないでどうするのですか。この程度自分の力だけでどうにかしなければ」などとほざいているらしい。

さすがに大人にきつく言われてしまえば、まだまだ幼い小百合は黙ることしかできない。

そして、今まで誰にも相談できないまま光に泣きついてきたというわけだ。


「まあ、はっきり言ってしまえばそんな奴の言うことなんて聞かずに上に対応してもらうのが1番ですわね」


「そ、そうなの?で、でも、財閥令嬢としてって言われたし………」


「そんな小物が言うことなど聞く価値はないですわ。たかが1つ小さい企業を大した業績も出せずに経営している人間が、財閥の令嬢など正確に理解できているわけもありませんの。小百合だって、庶民どもの必要なことなど分からないでしょう?それと同じですわ」


「そ、そうなのかな………うん。でも、そうかも。私、相談してみる!」


「そうしてみてくださいまし」


外部からの意見というのはあまり聞く価値などないものである。もちろん重要な時はあるが、それで成功できていない人間が言ったところで信用性なんて皆無なのだ。

もちろん、逆に専門家の話なら信じてもいいのかというとそんなこともないのだが。


「大切なのは、その社長と愛人、そしてその子供に罰が下ることですわ」


「そ、そうなの?でも、べつに罰までは………」


「求めてなくても必要ですわ。どちらかと言えば、それこそ財閥の人間として必要とされているものでしてよ」


「そ、そっか」


小百合は引っ込み思案だが、優しい性格をしている。そのためやられたらやり返すという思考を持っていないのだ。

その思想は、財閥の人間として生きていく上では非常に危うい。


「みんな仲良くという甘い考えでいると足元をすくわれますわよ」


「………………」


光の厳しい言葉に小百合は黙ってしまう。

だが、その瞳には何かを決断したような弱弱しくも芯のある炎が宿っていた。


「では。小百合以外はどうなんですの?皆さんきちんとやれてまして?」


さてさて。今この場にいるのは、光と小百合だけではない。

他にも取り巻きたちはいるのだ。


「僕は問題ないかな。学校のみんなとも仲良くやれてるよ」

「僕も問題はない。力があり社長も誠実であることが分かっている企業を選んだ」


下僕こと作弥は元々爽やかで人から好かれやすいタイプなので、何も問題はない。そして眼鏡なクール気取りの零里は光によって教育されているので、まず問題の起きるところは選ばなかった。

そして、


「俺のところは皆がひれ伏してるぞ!」


「「「当たり前だ(でしょ)(ですわ)」」」


やんちゃな舎弟の炎勝の言葉に、光を含めた数人のツッコミが入る。

彼の周りではだれもが平伏し、持ち上げている状況。なぜなら、


「あなた、自分が財閥の人間だと明かしたって聞きましてよ」

「財閥の子供って言ったらそうなるのは教わってたでしょ?」


光と下僕が言うように、彼は自身が財閥の人間であるということを明かしたのだ。

教師や保護者が平伏し、子供たちに絶対逆らわないように教育するのも当然。


「ふんっ。君が平伏されるのは君自身の実力ではなく君の家の力のおかげだよ。それを偉そうに誇るなんて、勘違いも甚だしいね」


「なんだとっ!」


「怒るところではないだろう?師匠とは違って、君は何1つ自分で成し遂げていないのだから」


「そ、それはお前もだろう!」


「ああ。そうだとも。だからこそ君と違って僕は勘違いしてる君のように自分が財閥の人間であることを叫んだりはしていないんだよ」


バチバチと火花が散るのが幻視できる。

小学校に入学したところでこの2人は仲が悪いことは変わらないらしい。こういうところは成長できていない。


「やんのかテメェ!」

「おや。やるのかい?いいとも」


「何も良くなくってよ」


ゴンッ!

「「いてっ!?」」


今日も今日とて険悪な2人に、拳骨を振り下ろす光なのであった。

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