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たった一人の《大罪人》〜唯一無二の天職で世界最強に〜  作者: 白崎 仁
第一章 自分だけの力
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間違った選択



俺は静かに待った。だが、一向にベガーは来ない。もしかしたらベガーはディアナを連れて逃げたのかもしれない。まあ、想定の範囲内だがな。


「準備はできてますか、レヴィアタンさん」


『ああ、いつでも大丈夫だぞ』


俺はこの時のために準備をしておいた。あいつの魂胆なんか手に取るように分かる。


嫉妬(エンヴィー)


レヴィアタンさんの能力、嫉妬(エンヴィー)

俺が今発動したのは対象の追尾だ。俺が()()()をした相手の居場所を知りたい時に知ることが出来る。


この能力は対象の周りの様子も少し分かるので、今のベガーの周りの状況を確かめる。


どうやらベガーの周りには5人の人間がいるようだ。その一人はディアナとみて、間違いないだろう。その他は護衛だと思われる。


俺はボロボロの鉄剣を携えて、ベガーの元へと走った。



「早く出せぇ!!」


急にベガーが来たと思ったら、私を無理やり馬車に乗せてどこかへ行こうとしている。


「一体何をしようとしてるの?」


「うるさい!お前は黙って僕に従えばいいんだ!」


はー、ほんと自分勝手な人。・・・私の選択は間違ってたのかな。いや、自分の選択だもん。自分が信じなくてどうするのって話だよね。


ハイド君はどうしてるだろう。私のせいで牢屋に閉じ込められて、辛い思いをさせてしまった。彼には合わせる顔がない。そう思っていたのに・・・。


「早く!急げ!」


「し、しかしこれ以上は」


「いいから早く!あいつが来る前に!」


「なー、あいつって誰のことだ?」


「「「!?」」」


そこに現れたのは汚れた服にボロボロの鉄剣を握った少年だった。私はその少年を見て、思わず涙を流してしまった。後悔や自責の念に駆られたこともあるが、何より生きてくれていたことが嬉しかった。


「ハイド君・・・」


「迎えに来たよ、ディアナ。だから、泣かないで」


「うん!」


私は精一杯笑った。君をもう悲しませないために。



「な、なぜここが!?」


「さー、なんでだろうな」


「ぐっ、やれ!お前たち!!」


ベガーは護衛に命令をする。護衛はそれぞれ剣を構えるが、俺の敵ではないだろう。


「くらえぇぇぇ!!!」


「死ねぇぇぇ!!」


「ラスランド家のために!!」


「悪く思うな!」


全員一斉に飛びかかってきた。俺はある能力を使って迎撃する。


「・・・邪魔だ」


俺は全ての剣をいなしつつ、護衛全員を斬った。致命傷にはしてないので、適切な治療を受ければ、よくなるはずだ。


「さて、ベガーよ。お前はどう責任を取るつもりだ?」


「ふざけるな、ふざけるなよ!!もういい。こうなったらディアナは道連れだ」


そう言って、ベガーは何かを唱え始めた。何かを悟った俺はそれをやめさせようとしたが、もう遅かった。


「え?」


「な、ディアナ・・・?」


ディアナの胸にいつの間にか大剣が突き刺さっていた。ベガーの言っていた道連れとは、このことだったのか。


「おい!ディアナ!聞こえるか?返事をしろ!!」


俺は呼びかけるが、返事は聞こえない。まさか本当に・・・?


俺は万が一を考えて、ルシファーの能力をディアナに使った。これで何があっても、ひとまずは大丈夫だ。


「あはははは!!!こりゃ傑作だよ!どう?今どんな気持ち?」


こいつだけは。


「おいおい、何か答えろよー。つまんないだろ?」


こいつだけは絶対に許さない。・・・殺す。


俺はベガーを一思いに斬り裂いた。



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