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たった一人の《大罪人》〜唯一無二の天職で世界最強に〜  作者: 白崎 仁
第二章 解呪の宝石
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Sランク



 ヘリオンの討伐証明である角を持って俺たちは迷宮を脱出した。そしてその足で冒険者ギルドに向かい、討伐完了の報告をする。


「すいませーん。討伐の報告をしにきましたー」


「はい。では受注したクエストの受注書と討伐証明を提出してください」


「あ、えっと昇格試験なんですけど……」


「どのランクでしょうか?」


「Sランクです」


「え?」


「え?」


「Sランクですか?今日の朝に始まった」


「はい」


「……少々お待ち下さい」


 受付のお姉さんが裏手に入っていった。何かあったのだろうか。


「何かあったのかな?」


「はぁぁぁ!?……あんた本当に何も知らないのね。普通Sランク試験は二日ぐらいかかってクリアするものなの。それを一日足らずでクリアするなんて異例中の異例だわ」


「そうなのか」


「そうなのか、って……」


 ローザと話していると受付のお姉さんが戻ってきた。その後ろには昇格試験の説明をしていたヴゥイザスというギルド職員がいた。


「おう、お前らか、Sランク昇格試験をクリアしたっていうのは」


「は、はい、そうです」


「お前らはハイド・ローザペアだな。討伐目標は剛竜へリオンで間違いないか?」


「はい、これが討伐証明の角です」


「ふむ……、たしかにヘリオンの角で間違いないな……。よし!合格おめでとう!こんなに早くクリアする奴らは初めて見たぜ!」


 こうして俺たちはめでたくSランク冒険者となった。だが、これで終わりじゃない。一刻も早く最下層を目指さなければ。


「ねえ、ハイド」


 一度帰ろうとしていたらローザに話しかけてきた。


「ん?なんだ?」


「ありがとね。偶然とはいえ、おかげでSランクに昇格できたよ」


「お礼を言われることは何もしてないよ。俺じゃなくてもローザなら昇格できたよ。こっちこそありがとう」


「それでさお願いがあるんだけど……」


「なんだ?」


「もし良かったらまた一緒に冒険しない?今回はそんなに出来なかったしさ」


(……それか。もしかしたら無理かもしれない。けど俺も出来ることならローザと冒険をしてみたい)


「ああ、いいよ。また今度一緒に迷宮に行こう」


「うん!絶対だよ!」


 俺たちはギルドで別れた。


(ごめん、ローザ。約束は守れないかもしれない)


 俺はローザに心の中で謝りながら、ディアナが眠っている古民家に帰った。明日は迷宮に潜ろう。そう決めた。


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