はじまり
グランドウッド大迷宮最深部。
そこは未だ誰も到達したことがない場所。
未知のモンスターに未知のお宝。最初に到達したものにはそれを知る権利がある。
その最深部に一人の男がいた。彼は人類で初めてその場所に到達した。
自分の限界を知るために、彼は色々な場所を冒険していた。ここもその一つだが、彼はもうすぐで攻略を完了しそうだった。
(所詮この程度か...)
どんな強敵でも大体倒せるようになってしまった彼にとって、迷宮など恐れるものではなくなっていた。
そして迷宮の終わりである、迷宮主のいる部屋に到達した。
迷宮主はその迷宮の中で一番強い魔物だ。普通なら大人数で挑むものだが、彼は一人で充分だった。
『お、いよいよ迷宮主だね。』
『やっとか。今回は遅かったんじゃないか?』
「うるせぇよ。別にいいだろ。」
『そうよ〜。ハイド君だって頑張ってるんだから〜。」
『つべこべ言わず、力を貸したらどうだ。』
『もうとっくに貸してるっつーの。』
「ほら、行くぞ。準備をしとけよ。」
彼、ハイド=デッドリーは心に7人の悪魔がいる。
ベルゼブブ、アスモデウス、マモン、サタン、ベルフェゴール、ルシファー、レヴィアタンの7人だ。
そして、それぞれの悪魔が特別な力を持っている。
彼はその力を駆使して、強くなった。
そして今も彼はその力で迷宮主を倒そうとしていた。
彼の前に現れた迷宮主は八つの首を持つ竜だ。
それぞれが自分の意思で動き、さまざまな攻撃を繰り出す。魔物の中でもトップクラスに入る強さを誇っている。
そんな相手でも彼は臆することなく攻める。
相手がどんな攻撃をしてこようと、どんなに防御しようと、彼は天職《大罪人》の力で無傷で勝つ。
『おつかれさまです、ハイドさん。』
『難なく倒せたな。』
『さっすが、ハイド君だよぉ〜。』
「まあ、前の迷宮主よりは強かったかな。」
彼はそうして迷宮を攻略した。
だが、彼はまだ知らない。自分がなぜ《大罪人》になったのか。そしてこれから何が待ち受けているのか。
新連載です。よろしくお願いします!