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こんにちは〜


前述の通りグダグダなお話で、短いのですがよければ見ていってください。


不慣れなため、感想・コメント等の返答は行いませんが、ちゃんと見てます。ありがとうございます!




オルト・ボタニコ



イタリア語で植物園と言う意味である。


この名をつけられた会社があった。

なんで植物園なのか、わからない人は平々凡々な清き一般人である証であるので気にしなくて構わない。



なぜこの会社は、そんな名前なのか。



それはおいおい語るとしよう。



この会社はペット用品を基本的に取り扱う中小企業だ。最近できたばかりだというのにいつの間にやら大手企業一歩手前まで伸びている。最近話題の会社である。



笹山は、そんな会社に就職した。




もともとは、動物園とかペットショップの店員になりたかったのだが、大切に育てた子達と、配置換えや売買で別れることには耐えられないと思い、せめてペット関連の職に就こうと考えて、この会社に就職した。



この会社には笹山の同期も後輩もいない。



それどころか、新人は笹山一人だけだという。


なんでも、この会社は土台になった組織があり、社員はみんなそこからの引き継ぎで社長についてきた人たちなんだとか。



当然、笹山は色々と気まずいことも多かった。



一人だけ不慣れな社員だというのも、辛いものである。




しかしながら、ここの会社員たちはとてつもなく優しかった。


それはもう、とても。



ビルで迷えば誰彼構わずすぐに優しく教えてくれる。



仕事ミスも笑って流し、しかし指摘はしっかりとする。褒めて伸ばし、怒るところは怒る。しっかりとした上司たちだ。




ある日のことだ。


笹山は、書類運びを頼まれた。

そして、つい手が滑って、流れるように落としてしまった。

それはもうとんでもなく散乱して、笹山はプチパニックになったのだが、そばにいた社員たちは、何をいうでもなくスタスタ集まってきてあっという間に揃った。しかも番号順に丁寧に並べてあった。


その間、およそ2分。



これが100枚近くの書類をばらっばらに落として拾った時の時間であろうか。



笹山は丁寧にお辞儀ししっかりと謝っておいた。



周りの人は律儀だねぇなんて苦笑する。



はて、笹山は何か律儀なことをしたであろうか?




またまた別の日。


笹山は、食堂に来ていた。


ここの食堂は、バイキング形式で好きなものが取れる。笹山は枝豆ご飯につくだ煮と温泉卵である。

なんだか本当にそれ昼食?みたいな不思議なラインナップだが、笹山は気にしていなかった。


「あ〜それいいなぁ。俺のもとってきてくれない?」



そんな笹山が座ろうとしたところで、別の社員が声をかけてきた。


自分でも取れるだろうに動きたくないのだろう。




なんか酒臭いような…?


不思議がりつつとってくると、その社員は目を丸くした。

どうやら冗談のつもりだったようだ。


「えへへ、ありがとうな」



にヘラと笑うその社員の笑顔が素敵だったので、特に嫌な気分にはならなかった。



しかし、酒の飲み過ぎはどうかと思う。せめて職場で飲酒はやめてほしい。



そう思いつつふとバイキングのドリンクコーナーを見ると、ワインボトルがいくつか鎮座しているのが見えた。



振り返って先ほどの社員を見ると、手元に酒瓶。日本酒と盃持って書類書きながら飲酒中である。……先ほどの枝豆をつまみに。


この会社は飲酒も特に問題ではないらしい。



笹山はこの会社は懐が広いなぁ、なんて楽観的に考えた。



でも、笹山はその時納豆枝豆ご飯にしたかったので、納豆がないことが少し不服である。


なぜ酒があって納豆がないのだ。




そんな天然で何事も流す笹山が認めたホワイトな会社、オルト・ボタニコ。




しかしながら、笹山にはどうしてもよくわからない制度があった。



謎のあだ名制度である。



社長がボス、はまだわかる。



笹山のあだ名がササなのも許容範囲だ。




しかし、上司揃って、テングダケだの、ツキヨタケだのキノコの名である。ゼニゴケやハピネスなんて普通の苔や花もいる。


何故だか会社員たちはみんな(社長以外)植物関連のあだ名がつけられている。



それが笹山……ササには不思議でたまらない。



わざわざ聞くのもどうかと思い、理由は聞いていないのだが。




おかげさまで笹山は社内の職員の誰一人の本名も知らないのだ。







この会社は本当にホワイトなのか?





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