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④ 天使の梯子







「――というわけです」


 説明が終わり、恭介は清金からの言葉を待った。内心、冷や冷やとしている。もっとうまく出来たのではないかという後悔が今更上がって来る。


 けれど、得られた言葉は称賛だった。


「……良くやったわ恭介。良く、この場の全員を守り切ったわね」


「え?」


 思わず聞き返した恭介の眼に清金が笑みを答える。


「ありがとう。恭介が判断を間違えていたら、霊幻も、ホムラもココミも壊されてたかもしれない」


「……でも、アネモイが奪われてしまいました」


「そんなのアタシ達にはどうしようも無いわよ。むしろアネモイ2を守り切ったんだから感謝して欲しいわ。その方向で上からも働きかけてもらうから、安心してなさい」


「……はぁ、分かりました」


 どうやら、自分にはお咎めが無い様だ。それを悟り、恭介は今度こそ肩の力を完全に抜く。


「木下恭介がホムラとココミに勅令する。先程の自壊命令は取り消し」


 それだけ言ってバシャリと恭介はその場に座り込んだ。尻が濡れるが知った事ではない。


「次に同じ命令を出したら、燃やす」


「……」


 頭上からホムラのドスが効いた声に恭介は苦笑だけで返事をした。


『みんな! 見て見て!』


 フワッと風が恭介の頬を撫で、風に導かれるまま恭介は空を見上げた。


 直後、視界が一気に明るくなる。


「……あ」


 分厚かった雲にとうとう切れ間が生まれ、陽光が差し込んだのだ。


 そこに居た人間とキョンシー全員が空を見上げた。


 切れ間から見えるのは吸い込まれる様な青い空。


 薄明光線が恭介達へと降り注ぐ。


――綺麗。


 素直に恭介はそう思い、もう一度深くそして長く息を吐いた。


「……ああ、疲れた」

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