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プロローグ
「また私は君に恋をする。」
「また僕は君に恋をする。」
大きくなってあったとき二人が結ばれる事を願って。
幼い頃、交わした約束。
絶対に忘れてはいけない約束。
だが、それからの年月はその約束をしたこと、一緒に居たという事を僅かに覚えているだけ。顔も思い出せない。
「私の名前はね、季節が入っててわかりやすいの!」
そんな言葉が記憶に薄っすらと残っていた。
約束の君の名前には四季のどれかが入っている。
約束の君の手掛かりはそれぐらいしかなく、その記憶も不確かなものである。
約束をしたものの、二人を結ぶつけるものは名前に四季のどれかが入っているという不確かな記憶だけ
。
もしまた会ったのならば、それは運命なのかもしれない。
君は今、何処で何をしているのだろう。
君は昔と変わらず僕を好きだというのだろうか。
約束をしたあの頃から気持ちは変わっていないのだろうか。
もし変わっていたとしても 、もう一度会いたい。
未だ約束の君は現れないまま。