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この世界に幸多からんことを  作者: 霧嶋 涼風
第1章~友とは時に誰よりも友の事を分からない生き物である~
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第一話『黒を纏いし奇術師誕生&クラス替えにトラブルがあらんことを』

修正:一人称を僕に変更しました。


修正:主人公の性格を面倒な事を嫌う設定にしました。


この世界、フィリムは現在9人の神が9つの大陸を支配している。その中の一つ"人神"支配する大陸、(ヒューマン)大陸の北東に位置する国、ゴーラウル大国は、危機に陥っていた。



「おわぁぁぁ、早く皆の者逃げろー。天災級のユニークモンスターが攻めてきたぞー」


今まさに、白銀の鎧を纏った騎士、国家騎士が相手をしているのは、体長30mはある、誰もが見たら恐怖するユニークモンスターだった。恐怖の原因は大きさだけではない、そのモンスターの特徴も原因だった。


「隊長!!何故、相対しないのですか!?私達が少しでも足止めをしとかないと国民や国王が!!」


「馬鹿野郎!!あの魔物を知らないのか!?あいつはな、一回でも、攻撃しちまうと魔力を暴発させて、爆発しちまうんだよ!!かと言って攻撃しないでも、一定の範囲にまで近づいても爆発しちまう!」


「!?、では、このままでどうすれば……」


「国民を出来るだけ迅速に逃すために最善を尽くすだけだ!!いや、だがあの魔物のユニーク型は初めて見た。それに、普通の大きさの2mでも半径20mは爆発しちまうのに、あの大きさは、ふざけてやがるな、もしかしたら、誰も生き残れねえかもしれねえ。」


「それじゃあ、どうしたら……」


国家騎士の隊長と新米兵士が話をしている時、1人の兵士が走ってきた。


「隊長ー!!緊急事態です!!」


「どうした!?」


「はっ!あのユニークモンスター、見た目に反して異常のスピードを誇っており、すでに正門の目と鼻の先まで接近しておりますっ!!」


「な、なんだと!?」


隊長と呼ばれる人物は、西側にある正門に目を向けた。そこには、城壁の上から顔が垣間見える、位置に居た巨人という表現しか出来ないような魔物が存在していた。城壁の壁は高さ25mあるのに関わらず顔が見えていたのだ。隊長の顔は絶望に染まった。


「ははは、もう、苦笑いしか出来んな。」


「ど、どうしますか……」


報告に来た兵士は震えた声で隊長に問いた。隊長はその言葉に覚悟を決めた顔つきで兵士に目を向けて答えた。


「全軍に報告しろ!正門に集結しろとな。そして、一緒に死ねと」


「は、はっ!!」


そう言って報告に兵士は走っていった。隊長はその兵士とは反対に位置する正門へと堂々とそして、真剣な顔つきで、歩いていった。


「隊長、正門に行って何をするつもりですか?」


ずっと黙っていた、新米兵士が聞いてきた。その顔は死を覚悟していた。


「ふっ、どうせ死ぬならあいつに、傷跡ぐらいは付けて冥土の土産に持っていこうかと思ってな。ただでは、爆発させ……」


「隊長?」


「彼処にいるのは、誰だ?」


隊長の目にしたものとは、正門の前に立ち黒いローブを身に纏い黒いフードを深く被った、人物だった。その黒ローブの人物は、ユニークモンスターに手をかざしていた。そして、静かに呟いた。


転移(テレポーテーション)


「な……んだと?」


「た、隊長...今、何が起きたんですか?魔物は何処に……」


全長30mある、ユニークモンスターが一瞬にして、正門の前から消えたのだった。


そして隊長は確に聞いた。最上位に位置する魔法の一つ、空間魔法に属する魔法、転移。それを使ったのだと、理性ではなく本能がそう告げていた。それと同時に恐怖した。転移は自分より小さい物ならそこまで、魔力を使わないが自分より大きい物を転移させるには、比にならないほどの魔力を消費する。30mの天災級魔物を転移させる為に国家魔術師を1万集めても出来ない事をあの黒ローブの人物は1人でやって見せた。それは即ち規格外の存在という訳だった。


転移してから、数十秒後上空から凄まじい爆発と爆音、爆風が轟いた。爆風だけで家が数十軒崩れ去った。


黒いローブの人物は被害を最小限に抑えるために上空に爆発するユニークモンスターを転移させたのだった。


その事に隊長は、更に恐怖した。爆風だけでこの威力だった事を。爆発が地上で起こっていたらと思うと鳥肌が止まらない。


「た、隊長……今のは一体……」


「……」


返事をしようとしたが声が出なかった。それ程までに異常な光景を目にしたからだ。


はっ!と思い出したかのように黒いローブを纏った、人物が居た場所を見たがそこには誰も居なかった。


この事態に気付いた、兵士達は何が起こったかと思い、正門へと集まってきていた。


それから、隊長と呼ばれる人物はこの事を国王に話した。国王は驚きそして、感謝した。国王は感謝したくても出来ない気持ちを抑えるためにせめてもの思いで、この事を正式に国民に発表した。国民側にも何人か目撃者がいたようで疑うこともなく瞬く間に歓声が上がった。


そして、英雄は誕生した。


その名も『黒を纏いし奇術師』


この『黒を纏いし奇術師』が男なのか女なのか、イケメンなのか、美女なのかという噂が尽きなかった事はまた後日話すとしよう。


え?お前は誰なのかって?ふふ、私は無名の存在。もし、私の事を知る人が居るのならばそれは()()()()()()()()()()()


------


「やったー、また一緒のSSクラスになれたね」


「うん!全然鍛錬とかしてなかったから腕が落ちてて危なかったよ」



「うおー!!、SクラスからSSクラスに上がれたー!!」


ああ、うるさいな。よく朝からそんなテンションでいられるよな。お猿さんですか君たちは。


なんで、皆こんな騒いでるかというと、此処ゴーラウル大国に設立されているゴウラ魔法学校には入学だけではなく進学にも試験がある。この騒ぎの原因は、1週間前に2年生に上がるための進学試験があったから、試験のために鍛錬やら勉強をしていたストレスを言葉に発して鬱憤しているのだろう。非常に迷惑だ。えっ?お前は誰かと話さないのかって?


ふっ、聞いてひれ伏すがいい!僕は……ボッチです……はい。1年間ボッチを守りきった僕カッコイイ。キャアーやばーい……悲しくなってきたわ。


これは、余談だが、AクラスやらSクラスというのは簡単に言うと実力で決まるクラスだ。下からD.C.B.A.S.SSに分かれており、今僕たちがいる教室のクラスはSSだ。まあ、ようするに最上位クラスだ。Sクラスから下のクラスと実力を比べれば蟻が象に勝負を挑むぐらいの差がある。そういう訳もあって人数も少ないんだけどね。分かってほしいのはSSクラスは次元が違うっていう事。


まあ、そういう訳で今日の朝の教室は非常にうるさい。大事な事だからもう一度言うが非常にうるさい。大事な事だからもう一度(ry


«ガラガラ»


おっとこのクラスの担任が来たようだ。


「席につけー」


担任がそう言うとさっきまで話していた生徒達は各自の席に戻っていった。先生グッジョブ!


「よし、席に着いたな。じゃあまずは、新しくSSクラスに来た者もいるようだし自己紹介からしようか。」


まじかよ……。


「紹介する事は……まあ、名前はもちろんな事だとして、天職は最低限に紹介して、別にスキルを紹介してもいいと言うやつは言っても構わん。じゃあ右の席から順に自己紹介していってもらおうかな。」


「はい!」


担任に言われて元気良く席から立った1番右の席に座っていた男子生徒だ。そして僕の隣人さんでもある。つまり、次が僕の番ということだ。そんな事を考えていると男子生徒の自己紹介が始まった。


「俺の名前はマリコルアーゼ・サリアスだ。去年同様SSクラスだから知ってる人も居るだろうけどな。天職は聖騎士だから剣を使う。これから宜しくな。」


"何事も一番最後よりも最初の方でやった方が良いと"誰かが言った。その考えを否定するつもりは無いけど……2番目はキツイよな。まじ神様は理不尽だ。それもイケメンの後とかやめて欲しい。べ、別に自分の顔に自身がない訳じゃないんだからね!!ふんっ!とか言っている自分に恥じらいを持ちつつ自己紹介をした。


「えー僕の名前はフェリング・フィアー。まあ、よろしく。天職は魔法剣士。ああ、あとこの仮面については気にしないでほしい。」


最低限の情報を言って僕は席に着いた。ふぅ、これで目立たないで自己紹介を終わらせれた。フィアーこと、僕だが面倒臭いことを一番嫌う。だから人と関わるのも苦手では無いけど、極力というか絶対に関わりたくない。面倒いからね。これが僕がボッチになった真相なのだよ。分かったかねワタソン君。え?言い訳にしか聞こえない?そんな事ない。無いったら無い(震え声)。


SSクラスには数は少ないとは言うものの結構数は居る。ただランクを分けるクラス分けなだけで例えばAクラスの1組など2組がいる。ただSSクラスは1組と2組しかいないだけだ。ほかのクラスは大体5組ぐらいいる。まあ、この話は置いとくとして。


僕がいる、このSSクラスは25名の人がいる。お前の言いたいことが分からない?まあ、要約すると全員の自己紹介を聞くのがめんどくs(殴


さすがに全員の自己紹介を聞かない訳にはいかないのでキャラが濃い人だけ紹介しておこうと思う。


「名前はヘルリス・クロス。天職は闇忍者(シャドウ)


この完全無口な男、クロスというのか。もうね、顔が整っていて無口キャラでミステリアスってレベル高すぎかよ。それに、闇忍者とかいうレア天職なんか持ちやがって。なにがレアって名前の通り闇に忍者(しのぶもの)と書いて闇忍者。暗殺に特化した天職だ。服装もそれっぽく、スカーフで口元を隠してやがる。


「私はメリアステル・アテネです。これから、SSクラスなのでよろしくお願いします。天職は魔導師です。なので後方支援が得意です。」


この如何にも無表情な女子。うん。それだけ。え?キャラ濃い人を紹介するって言ったのに何故紹介したのかって?見た目だよ、見た目。美少女だよ。


(わたくし)の名前はベリアルン・アリスですわ。まあ、自己紹介しなくても四大貴族のベリアルンの名を知らない人は居ないと思いましてよ。一応言っておきますわ。天職は細剣使。よろしくお願いしましてよ。」


まあ、なんだ……非常にキャラが濃い人だな。そして、僕が一番苦手なタイプだ。自画自賛が激しそうな自己紹介だった。それだけ。


「僕の名前はキマタリス・サイカです。天職は精霊使いです。よろしくお願いします。」


美少年来ちゃいました。もうね、SSクラスイケメンやら美少年やら、美少女やら居すぎだろ。このサイカって子に関しては男の娘だよ畜生。


よし!決めたこのクラスの人には関わらないようにしよう。絶対に、そう絶対にだ。


ん?いま旗がたったような気がしたが気のせいか。


「よーし、自己紹介終わったな。それでは、早速で悪いがもう一度実力試験をしてもらう。」


「え?先生ちょっと良いですか?」


「ん?なんだ言ってみろ。」


「それは、進学試験でやったはずでは?」


「ああ、あの試験とは違う。あれは進学に必要な事を試験にして出したに過ぎない。今からやる実力試験は技量、魔力操作、などの実力を計る。まあ、要するに強さを計るという事だ。それらを計るために対人戦をする。訓練場にてまた、詳しい話をする。では、一旦解散!」


まーた、面倒な。1年の時は無かったのに。



こうしてフィアーの波乱の学園生活は始まった。




まだ主人公は活躍しません。ま、待ってください。もうちょっとで、活躍させますから。あと、旗がたったような気がしたというのはフラグがたったという意味です


それと、『(ry』の意味がわからない人に説明すると、以下略の意味があります。え?いちいち説明するぐらいなら、なんで(以下略)にしなかったのかって?……さぁて次の話を書くとしようかな?(カッコつけたかったからなんて口がさけても言えない)



あと、天職とスキルについての説明を次の話に解説話として追加しておきます。

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