5日目。
*** 5日目(金曜日)***
雨は未明には止んでいたようだ。
オレの会社は当然の如く、”週休2日”で土日が休みである。
だが、週末への期待感は離婚してから全く無くなっていた。
その割に”窓際族”である為、金曜日も定時帰れる。
時間だけあって、何も楽しくない週末を長い間続けてきた。
この日も定時に終わり、”いつも通り”に地元の駅に着いた。
そして、別に不思議でもなくなったが、改札を出た所で、唯が待っていた。
服装・メイクは”いつも通り”派手だが、今日の唯は様子がおかしい。
「こんばんわ。」と、オレに挨拶する際、かなり静かに話しかけてきた。
「こんばんわ。どうした?」と聞いてみた。
「明日、明日は予定あるの?」
「一応な」
「何処か行くの?」
「まあ、大したところじゃないけど・・・。朝から府中の競馬場へ行くよ」
「競馬やるんだ?」
「一人もんだから、他に楽しみもないしな」
「じゃあ、明日、ワタシも連れてって!」と突然いつもの調子に戻ってオレに言ってきた。
「君には面白くないと思うけど」
「いいの。いいの。行ったこと無い所へ行ってみたいから。で、明日何時にここに来ればいい?」と唯。
「判った。じゃあ8時半でいいよ。ここで待っている」
どうせ1人で行こうが”万馬券”でも当たらない限り、余り面白いものではない。
少し”変わった女”と行った方が何も無いよりいいだろうと思い、彼女と付き合うことを受け入れた。
「今日は帰るよ。じゃあ、明日8時半ね」と、彼女は素直だった。
「判った。待ってるよ」とオレは言い、彼女とその場で別れた。
その後オレは、近くのラーメン屋に寄った。
”ラーメン餃子定食”にビールを付けて頼んだ。
「少しは楽しい週末になるかな?」とオレは期待し、グラスでビールを飲んでいた。




