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ハーフムーン  作者: 人生輝
4/7

4日目。

*** 4日目(木曜日)***

朝から雨の一日だった。


昨夜は、新宿の高層ビルで唯と食事を共にしたが、昨日のような”二日酔い”もなく、いつも通り会社へ”始業時の1時間前”に着いていた。

そして、相変わらずだが、定時に退社し2時間近い帰路に着く。


「今日もいるのかな?」と、唯の出没を気にしていた。

先ず、昨日待ち伏せされた、新宿の”乗り換え専用口”を通るとき前後左右確認したが、彼女の姿は無かった。

「第一関門突破だな。」と、心の中でニヤリとオレはした。


オレを乗せた私鉄電車は地元駅に着く。都心より雨が強くなっている。

駅構内を見回しながら改札口を出たが、唯の姿は見当たらない。

其の儘、エントランスを過ぎ、バス停を超え、反対側にあるコンビニへ。

「やっと、解放されたみたいだな」と、オレはホッとし、心の中のでガッツポーズをしていた。

コンビニでは、これも”普通通り”夕食の弁当と、何となくその時飲みたかった”ワンカップ”の日本酒を買った。

コンビニを出て、オレのアパートまでは5分ぐらいだ。雨の中、上り坂を歩き続ける。暫くすると、突然、坂道の狭い脇道から、男女の怒鳴り合いが聞こえた。


「絶対嫌だからね!」と、女。

「うるせい!黙って帰りゃいいんだよ、この馬鹿!」と、男。


「ちょっと待て、女の方の声はもしかして・・・」と、その狭い道に入り少し近くまで寄ってみた。雨で見えにくかったが、間違いなかった。

唯が、雨の中ずぶ濡れになりながら、若くて体格のいい男と口論している。男も傘をさしていない。2人共異常に興奮しているように見えた。

「関わるのは止めよう!」と思った。オレは子供の頃から喧嘩は強くない。まして、この歳で”あの若造”と何かあっても、オレが”甚大な被害”を受けるのは目に見えている。


オレが立ち去ろうした瞬間だった。

「あれ、ノリカズさん?」と聞きたく無い言葉が聞こえた。

「なんだ、ノリカズさん来てくれたんだ!」。オレは来たくて来たわけじゃない。偶々、通り掛かっただけだ。

「あ、いや、この先、オレんちだからね。」と、笑いになっていない笑いで答えていた。

「誰だ。このオッサン!」とその体格のいい男が言った。チョット凄みがあったので、2-3歩、いやもっと後退しようとした時、唯がその男に言った。


「ナカノさんだよ、ナカノノリカズさん」

「はあ?」っと、唯が何言っているんだかわからない感じで、その男は答えていた。

オレも、どう答えて良いか判らなかった。


「もう今日はいい。良く考えろよ!」と、その男は言い、オレを睨みつけ、その場を去って行った。


「どうもね。ノリカズさん!」と、ずぶ濡れで、良く判らないが”あの男”に脅された?にも拘わらず、やたら元気な唯が答えてきた。

「大丈夫なのか?今の?」とオレ。

「ああ、気にしないで。へへ。あっそだ。ウチ来る?」と唯。

「一人暮らしなのか」とオレは聞き返した。

「そうだよ。一昨日飲んだ時に言ったよ」

オレは全く覚えていない。

「またにしようよ!」と、この雨の中、これ以上彼女に関わりたくなかったので断った。

「判ったよ。」と今日はやたら素直だ。

「じゃあね!」と唯はいい、其の儘、彼女はウチ(少し先にあるアパートだと思う)へ向かって行った。


「今夜は少しゆっくり出来るな」と思い、オレも自宅アパートへ向かった。


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