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超人クラブへようこそ その7

ファミレスの入店音とともに店内に入りいつもどおりの接客を受けボックス席に収まると、ホットパンツにティーシャツを着たセミロングの可愛らしい女子が声をかけてきた。


「角田せんぱーい、お久しぶりです。今日の着流しかっこいいですね。

 ねっ、写メとってもいいですか」


うわーっ、相変わらずの追っかけかよ。

先輩の周りにはこういうのが後を絶たない。


先輩は、下を向いておかしそうに笑いをかみ殺しているが、やがて顔をあげて言った。


「いずみ、僕のファンのふりしなくていいから、そこに座れば?」

「あーっ、つまんない、先輩、乗り悪いんだから、そこは優しくどうぞって言わないと」

「他のメンバーは?」

 先輩はいずみさんの言を受けるわけでもなくそう聞いた。

「まだです。こちらは?」


「あっ、はじめまして、俺、高森要 開成南高校一年です」

「こちらこそ、よろしく、泉加奈子よ、開成東高校一年、生命科学専攻」

「開成東って姉妹校の?確かそっちの方が入試の難易度高いよね。生命科学ってことは将来はお医者さんになるの?」


「そうなの、南高受けたかったけど、進学率アップに燃える担任がうるさくて泣く泣く東に受験したのよ。でもやっぱり南高にしとけばよかった。菊留先生には南受けますって言っちゃったんだよね、私」


「菊留先生って前から開成南の先生だったんでしょう?

 中学生だった君がどうやって先生と知り合ったの?」


中学校と高校じゃ接点がなさ過ぎて大いに疑問の沸くところだ。

ましてや、市立と私立じゃよけいだろう。


「うーんとそれは、話せば長いんだよねー、いつか気が向いたら話してあげる」

いたずらっぽくそう言うと自分の席からドリンクと伝票を持ってきてこちらの席に移動してきた。


その時、ファミレスの入店音が響いた。入り口に目をやると菊留先生と背の高いインテリっぽい学生風の男子。

腰あたりまであるストレートな長い髪をポニーテールでまとめた白いワンピース姿の女子が一緒に入店してきた。


「せんせー、こっちこっち、大山先輩、佐藤先輩、お久しぶりです。」

「こんにちは、加奈ちゃん、緊急招集なんて名目だったから

 加奈ちゃんがらみだろうとは思ったけどやっぱりね」

「久しぶりですね。泉さん、元気そうで何よりです」

そう答えたのは菊留先生で佐藤先輩は軽く手を挙げただけだった。


「あんな写真付きでメール寄越すのだけはやめて下さいね、夜、眠れなくなりますから」


「ごめんなさい、先生、でもね、実際、会いに行きずらいんだよね、

 超人クラブって私以外は、みんな南高所属なんだから」


先生は全員が席に着いたところで言った。

「で?また何か拾ったんですか、泉さん」

加奈子は無言で頷き、上目づかいに皆を見渡した。






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