超人クラブ 先生のフィアンセ その2
扉の中からひょっこり顔をだした人物は一見して少女に見える。
彼女はバスローブを着てバスタオルで濡れた髪をふきながら先生を見る。
義之はリビングの真ん中の長椅子に靴を履いたままどっかりと座り込んでいる。
左の床に義之の左手を握っているアレンと、
右の床に佐藤仁が気だるそうに座っている。
お世辞にも正常な立ち位置とは見えない。
「えっ、うそーっ、もう信じらんない!」
先に声を上げたのはひかりだった。
彼女の眼には、義之が自分の部屋に二人の青少年を引きずり込み侍らせている
鬼畜教師にしか見えてなかった。
「そんな趣味あったの?」
「えっ?はぁ?あっ!」
うっかり彼女の思考を読みとって顔がまっかになった。
そして、ひかりの考えを全力で否定する。
「ちょっと、ひかりさん。そんなわけないでしょう。ひかりさんってば。」
「ええーい。問答無用!」
ひかりはそう言いながら脱衣所にとってかえし五段ボックスの中に
しまってあったタオルを両手いっぱいに抱え込んでリビングに
やってくると先生に向かってぽんぽんと投げてくる。
「ひかりさん?ちょっと、ひかりさんってば落ち着いて下さい」
タオルまみれになりながら、先生は言葉をかけた。
「あなたがなぜここにいるんですか?」
彼女はぴたりとタオルを投げるのをやめた。
そして、義之の問いにむっとしたらしく、風呂場の方へ消えた。
脱衣籠の中からキーホルダーを取ってきて義之の顔につきつける。
「だって、先生、今日一緒にご飯食べるって言ったじゃない」
「へっ?そんな約束……」
してないと言いかけて、ふいに思い出した。
一週間前に合いかぎを渡して、そんな事を言ったような気がする。
「もう、忘れてたんでしょ。サイテー」
プンスカしながら答えるひかりはようやく仁と目があった。
ひかりはギョッとして仁を見る。
見つめ返す仁の瞳にも動揺が走った。
二人、同時に叫んだ。
「先生、その子と付き合ってるの?」
「えっ?」
二人の危ない発想に先生はあわてた。
リミッターがない今、二人の思考は読み放題だった。
ひかりはボーイズラブを疑い、仁は援助交際を疑っている。
「ちょっと、違いますって、ひかりさん、
その腐女子的発想やめて下さい。佐藤君、援交じゃありませんから」
必死に否定するが二人は聞いてなかった。




