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超人クラブ 先生(リサーチャーフェイバリット)の実力 その6

ビーッツ!ビーッツ!ビーッツ!ビーッツ!

建物を揺るがすけたたましい音がそこら中に鳴り響いている。

その音に反応して、アレンは顔をあげ窓の外に眼をやった。

建造物のシルエットを映し出す火柱が敷地のあちこちで煙を上げながらたち昇るのが見えた。


「仁、菊留先生が来たみたいだね」

「なぜ、わかる?……」

「派手なご登場だ。建物を破壊しながらこっちに向かって進んでる。

 この音は侵入者の来訪を告げる警戒音だ。」

 その言葉を聞いて仁は縄の戒めを外そうと身をよじるが

 一向に外れる気配がなかった。

 こんな体制では満足に窓の外を見ることもできない。

打たれた薬のせいなのか。体に全く力が入らない。

襲ってくる睡魔に逆らって、こうして喋っていることすら仁には煩わしかった。

いっその事、意識を手放して眠ってしまいたい気持ちになる。


「アレン、この縄解いてくれないか。俺、もう何もできないし」

アレンはナイフを逆手に持ちなおし仁の手を拘束している

ロープを切ろうとして手を止めた。

「出来ない……グローム教授に逆らうなんて……僕は研究所のモルモットだ」

「何だよ。それっ、モルモットなんて……悲しい事言うなよ」

アレンの自虐の言葉に胸が痛い。


「何をしてるの?アレン」

仁のベッドサイドに佇むアレンに鋭い叱責が飛んだ。

いつの間にか部屋の入り口に教授が立っていた。

おずおずと振り返るアレンの瞳に怯えの色が走る。

アレンは教授を心から怖がっているようだった。


「喜びなさい。Mr.佐藤。貴方の大事な担任が貴方を助けに来たわよ」

教授は笑いながら仁を煽る。

「変な言い方すんな。俺だけじゃない。先生は俺だけを助けに来たんじゃない」

そう言いながらアレンを見る。

でも、仁の言葉はアレンには届かない。彼の顔色に取り立てて変化はなかった。

言葉があったって人はすべてを分かり合えるわけじゃない。

 現実に直面して仁は心のうちにもどかしさを覚え瞼を閉じた。


菊留義之はエントランスゲートから敵地に侵入し手当たり次第に建物を爆発させダメージを与えながら一歩一歩歩いてアレンのいる中央の建造物を目指していた。

敵は超能力者の襲撃に備えるだけの警備をしていなかった。

彼らはそもそも、ESP能力がどんなものかすらもよくわかっていないのではないのか。

利用しようとする側にしては杜撰ずさんとしか言いようがない。


だが、敵とみなされた先生に対して攻撃の手は緩まる事がなく銃撃の音が止むことはなかった。

彼が一歩前に出るごとにシールドで受け止めた銃弾がばらばらと足元に散らばった。

最初、弾力性のあるESPシールドを張って銃の攻撃を防いでいたが途中からシールドを硬化させた。

銃弾を受け止めるより、跳弾させて敵の数を減らした方が良いと判断したのだ。

もはや容赦という文字は今現在の彼の思考の中には存在しなかった。


自分たちを利用しようとする気持ちを挫く事が彼の最大の課題になっていた。

敵に回した「未知の力」が利用する側にとって

如何に脅威になるかを知らしめる必要があった。


先生は右手を一閃させ、衝撃派を放った。

衝撃派が当たった所は刃物で切ったかのような亀裂が走りガラガラと崩れ落ちる。

ものの数分で先生のまわりに無事な建物は一つとして残ってはいない。

まさに壊滅という言葉が相応しい崩壊ぶりだった。



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