62限 侵入者
前回のあらすじ
旅館に戻り夕飯を楽しんだ六人。
夕飯後、のんびりと過ごし風呂に入りそれぞれの部屋に戻っていった。部屋に戻ると布団が用意され、場所の取り合いになった。
「俺、端」
「おれも端っ、圭介は真ん中ね」
出遅れた圭介が潔く真ん中の布団に横になる。
「なんか、面白いテレビやってるかな」
斉木が横になったまま、リモンコンをいじる。
20時だったが面白そうな番組がなく適当にチャンネルを合わせて雑談をする。
「で、圭介、池波さんとはどんな感じだよ」
斉木が唐突にからかうように尋ねる。唐崎も気になっているのか興味津々な様子だった。
「ど、どんな感じってなんだよ」
慌てていたため好意があるのに何もしてないことはバレバレだった。
「圭介、今回がチャンスじゃないのか」
唐崎が圭介の肩に手を乗せて言う。圭介自身も同じことを考えていたが何をすべきか悩んでいた。
「取り敢えず、隣の部屋にいくか」
「何をいってんだよ」
斉木がとんでもないことを言ったため声が大きくなる。
「行ったほうがいいって」
唐崎もそれに賛成する。
「行ってもいいのかな」
二人に押されて圭介の気持ちは変わりつつあった。しかしその気持ちの変化は遅くドアのノックがする。
「お兄ちゃん、来ちゃったよ」
加奈が室内に堂々と入ってくる。続いて池波さん、睦美の順で入ってきた。