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57限 試合終了
前回のあらすじ
加奈と圭介は順調に試合でポイントを取っていった。
「加奈、このまま勝つよ」
「うんっ!」
そして圭介はフラットサーブを相手コートに叩きつける。
「うぉつ」
「ナイスサーブ、お兄ちゃん!」
「ノータッチエースかよ」
圭介の鋭いサーブを見て斉木が驚く。
「15-0」
圭介がもう一度同じフォームでボールを叩きつける。
「フォールト!」
圭介はそのコールを聞き、スピンサーブを打つ。睦美は返球し、直ぐに前に出て並行陣を作る。圭介は絶妙なロブを上げ、ポイントをとる。
「30-0」
「40-0」
「お兄ちゃん、決めちゃって!」
加奈の応援を受け、ラケットを振りかぶる。
「フォールト」
深呼吸をしてセカンドサーブを打つ。唐崎は一か八かの一本を思っ切り打つ。そのボール加奈のバック側を通り抜ける。圭介は、まずいと直感するが届きそうにない。あと少し、あと少しと頭の中でグルグルする。もうダメかと思ったがボールがコート外で弾んだ。
「アウト!ゲームセット」
斉木のその声で試合は終了した。