表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小学生に教わる庭球講座  作者: いさまた
40/75

40限目 計画

前回ののあらすじ

唐崎から電話が来て、色々近況報告等するため斉木も呼び遊ぶことになった。

13時。テニススクールと壁打ちを終え、帰宅する圭介。今日は睦美が家にいた。そして昼時に加奈が帰宅してくる。


「2時くらいに友達来るけど良いよね」


昼食を食べながら念のため事前に知らせておく。


「池波さん?」


加奈が余計な期待をニヤついた表情で抱いている。


「いや、唐崎と斉木だよ」


それを聞くなり加奈が残念そうな表情を見せる。睦美は誰のことか分からないようだったので教えてあげる。


「最初に会った時にいた友達だよ」


「あー、あの人たちね」


睦美は覚えているようで適当に答える。意外なことに反対をしなかった。


「今日は食器洗いよろしくね」


食べ終えた加奈が立ち上がりリビングから出ていった。 食器洗いは睦美が来てからは交代制にしていた。そして今日の担当は睦美だった。


「はーい」


ダルそうな声で答えるがキチンと食器を洗い始める。圭介は友達が来るということで自室の掃除を始める。



14時。


「お邪魔しまーす」


その声とともに唐崎と斉木が入って来る。久しぶり、と圭介が迎え入れる。二人はリビングには行かずそのまま圭介の部屋に入っていく。そして唐崎はベッドの上で壁に寄りかかり、斉木はベッドに寄りかかった。


「今、お菓子持ってくるね」


そう言い残し部屋から出てお菓子を取りに行く。


「お前ら、くつろぎすぎだろ」


お菓子を持って部屋に戻ると唐崎はベッドに横になり漫画を読み、斉木もベッドに寄りかかり漫画を読んでいた。


「お、ありがと」


唐崎はその姿勢を変えない。その代わり斉木が動く。


「で、話は何?」


「お、いきなりか」


圭介はいきなり話すことを一瞬躊躇ったが唐崎が漫画を置き、座ったのを見て話し始める。


「それがようやく帰ってきたんだよ、母さんが」


「おー、それは良かったじゃん」


素直に喜んでくれる唐崎。


「で、その母さんが再婚して智さんという父さんができたんだよ」


「お、おう」


戸惑う二人に気にせずに話を続ける。


「で、妹がもう一人できた」


「は?」


面白いほどハモる二人。


「さらにこの間テニスで戦った女の子」


「嘘だろ……」


開いた口が塞がらないとはこのことだろう。面白い表情を見せていた。


「漫画の読みすぎだよ、加奈という可愛い妹がいるのにさらに妹だなんて」


その出来事を笑い飛ばそうと斉木はするが残念ながら事実だ。


「証拠を見せろ、証拠を!」


追い詰められた犯人のように唐崎が少し強めの口調で言う。一度、しっかり睦美を紹介しようと考えていた圭介が睦美の部屋に行き、ノックする。


「なに!?」


少し、嫌そうな顔で扉から睦美が顔を出す。


「一応、紹介しとこうと思って、唐崎と斉木ね」


「こんにちは」


睦美が困惑した様子で軽く会釈をする。


「そうだ、海に行くって言ったら行く?」


この間、銭湯に行った時、怒られたので今回はあらかじめ尋ねる。


「行かない」


睦美はそう言い扉を閉める。睦美は最後まで態度を変えなかった。


「本当だったんだな」


唐崎と斉木が圭介の部屋に戻りお菓子を食べながら話す。唐崎はベッドの上、斉木はベッドの前が定位置になっていた。そして圭介は机のイスに座っていた。


「で、海に行く?そろそろお盆だから加奈も休みになると思うけど」


「もちろん、いくよ、お盆なら俺たちも休みだから」


「じゃあ、加奈に訊きにいくか」


今度は向かいの加奈の部屋をノックする。


「なぁに、お兄ちゃん」


睦美と全く正反対な態度で扉から出てくる。


「あ、こんにちは」


唐崎と斉木に気づき、きちんと笑顔で挨拶をする。唐崎と斉木もニコニコ挨拶ををする。中学の時にも圭介の家に何度か来ていて一緒に遊んだこともあり、仲がいい。


「加奈、今度、海行くけど行く?」


「うみぃ!」


100点以上の喜びを見せる。しかしそれは一瞬でシュンとした表情になる。


「だけど、私が行ってもいいの?」


抱きしめたくなるほどの可愛さで加奈は心配する。


「大丈夫だよね」


唐崎と斉木に同意を求める。当然、二人は深く何度も頷く。


「うーん……睦美は来るの?」


「いかな……」


「行くわよ」


突然、リビングの扉が開き、睦美が廊下に出て来る。突然の登場に驚き、睦美のことを見つめる。


「なら、行こっかな、後、池波さんは来るの?」


「え!?」


睦美が来ることにまだ驚いた圭介にさらに加奈は驚くことを言う。


「いいね」


唐崎もなんかその気になっている。


「じゃあ、お兄ちゃん、誘っといてね、」


語尾を可愛く言いお願いする。


「う、うん」


そんな加奈に頼まれ、つい頷いてしまった。


「お盆なら私、休みだから」


そう言い自室に戻る加奈。睦美もその流れで私も行くからね、と言い残し自室に戻って行った。


「池波さんもくるのかー」


斉木はすでにテンションが上がっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ