39限 連絡
今までのあらすじ
銭湯で圭介、加奈、池波さんは卓球を楽しんだ。
池波さんと銭湯で別れ、加奈と帰宅する。
「遅い、どこいっての!」
リビングを開けると怒声が響く。
「もう、帰っていたの?」
リビングにいたのは睦美だった。確か、お昼ご飯はいらなかったので何に怒っているのか分からなかった。
「見ればわかるじゃん」
おっしゃる通りだった。
「それでどこ行ってたの」
詰め寄ってくる睦美。調子のいい時と悪い時の差が激しすぎる。その睦美から逃げるように加奈はリビングから出て行き自室に入って行った。
「銭湯だよ」
「銭湯いいなぁ、私も行きたかった」
と、睦美は地団駄を踏む。
「次の時は連れて行ってあげるから」
「ほんとに?」
疑わしい目で見つめてくる。
「ほんとだよ」
そう言い何とかその場を収め圭介は自室に入っていく。そこにメールが来たことに気づく。送り主は唐崎だった。
「海、いつに行く?」
その文面を見て夏休み前にそんなことを話していたなと圭介は思い出す。
「いつでも大丈夫だよ」
そう返信すると数分も待たずに唐崎から電話がかかってくる。
「もしもし、お久しぶり」
唐崎の声を久しぶりに聞き安心する。
「久しぶり、元気?」
「元気だけど、圭介は疲れてるみたいだね、バイト?」
「いや、バイトは減らしたよ」
電話越しでも分かるほど唐崎はそれを聞き驚いていた。夏休みのバイトが少なくて不満を漏らしていたから無理もないだろう。
「それについては唐崎と斉木にはきちんと話さないといけないね、明日とか大丈夫?」
母さんのこと、父さんのこと、そして睦美のこと。いままで家族のことで色々気を遣わせてしまっていた。きちんと話さないとと考えていた。
「何時?」
「14時はどう?」
大丈夫だよ、と唐崎が答えたので明日の14時に圭介の家に来ることになった。海の話をし忘れたことに切った後に気づいたが明日でもいいかと圭介は思った。その後、斉木にも電話して明日の14時にくるように伝えた。