27限 スクール開始!
今までのあらすじ
テニススクールに行くことにした武本 圭介。
バイトは午後からなので午前中にテニススクールの見学に圭介はやってきた。池波さんには今日、見学することは伝えた。施設内はパンフレットどおりで結構きれいでコートもしっかりしていた。
「君が今日の体験の武本 圭介君だよね?」
コートを眺めていた圭介に話しかけたのは30代くらいの男性で身体は一見痩せ型に見えるが短パンやTシャツから伸びる足や腕の筋肉は運動していることを示していた。また、優しさを感じさせる人だった。
「中級コース担当の志貴 和真です、今日はよろしく」
「こちらこそお願いします」
「今日は準備運動の後、練習に混ざるという形で行うので……テニスはやったことあるよね」
「はい、一応あります」
「一応って……池波に聞いたよ、強いらしいじゃないか」
「そんなことないですよ」
コーチとそんな感じで話していたらコート内で準備運動が始まったので圭介もそれに合わせコート内に入った。コート内はやはり年配の方しかいなかった。当然といえば当然だ。中、高生は部活に入ればテニスができるし大学生もサークルでテニスができる。外部でテニスを習う人はほとんどいないのだ。
「級毎に分かれて」
準備運動が終わりそれぞれのコートに分かれた。