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語彙をあまり知らない本物川の、よく言えば自分語り、悪く言えば懺悔のようなもの

作者: 為瀬 雄



俺は、人として最低なわけでもなく、さりとて秀でているわけでもない。

だが、世間的に見て、いいことをしているとは、到底言えない気がする。

最近大学だってまともに行ってないし、じゃあ代わりに何かしているのかというと、何もしていない。スマホをいじったり、一日に4回ほどオナニーをすることを「何かしている」というのならば、何かしているのだろうが、まあ、何もしていないのだ、要するに。

自分についてあまり深く語るつもりはないが、俺は今、団体行動を必要とする学科に属している。だが、どうも俺は、この団体行動というものがあまり得意ではないらしい。

というのは全くの建前で、本当は学校に行くのが面倒くさいのだ。

徒歩で五分、そこからバスで二十分。そんな短い距離ですら面倒くさいと感じる。

県外から通っている学生が聞けば憤慨しそうな理由である。

これにはじぶんでも辟易する、かと思いきや、全然そうでもない。そもそも、前学期最初の自己紹介で「県外から通っている」と紹介した学生は何人かいた。いたことにはいたのだが、あまりに他人と交流がなさ過ぎて、それを言ったのが誰だったか、思い出せない。、そして、たとえちゃんと聞いていたとしても、そんなことは俺の中では結構どうでもいいことなので、恐らく二分後くらいには忘れてしまうだろう。なぜだか分からないが、俺はこんな人間になってしまった。

高校のころは、こんなでもなかった、はずだ。部活で全国大会にいったことは今でも誇らしいし、その時の思い出を懐かしむことも多々ある。なんというか、戻れるならば、あの頃に戻りたい。


俺は多分、この面倒くさい性格が変わることはないと思っているし、変わらなくてもいいと思っている。この性格のせいでなにか被害を被ったことは、覚えている限りではなかった。いや、忘れているだけかもしれないが。


最後になるが、これはあくまで「本物川」という男による、嘘偽りのない記録であり、特定の誰かの記憶をアウトプットした文章ではないということを、分かってほしい。これが、「本物川」以外の誰かの記録でないことも。


・・・いや、これも嘘だ。これは紛れもない「俺」自身の体験だ。俺は「本物川」の名を借りて、自分の悪行ともいえない悪行を吐露しているのだ。


これからも、俺の日々は続くだろうし、俺はこの暮らしをやめないだろう。


ほどよく片付かない部屋と、安定しない心のまま、最後まで、最期まで生き続けるだろう。

・・・なんて、スケールが大きすぎるな。


何を言いたかったんだろう。俺は誰だったんだろう。

誰になりたかったんだろう。誰にもなりたくないと思って都会に来たのに。

誰にもなりたくない以前に、誰になることもできやしない。


俺は、誰になるんだろう。


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