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転入生
「今日、転校生来るらしいぞ」
都内でも有名な進学校と言われている筑縄大学付属高校1-Aでは、転校生がくると聞き付けた噂好きの奴がクラスメートに言いふらしていた。
「へえ、こんな時期に来るもんなんだな」
「すげえ奴なんじゃねえの?」
今月は6月だ。普通の高校一年生だったら先々月に入学式を済ませ、クラスメートと馴染んだ会話をしているだろう。
その時、中年男性が教室に入ってきた。1-Aの教師と思われる。
そして、教室は静かになった。
「起立」
日直が立ち上がり、言った。
続けてクラス全員が立ち上がる。
「礼」
「着席」
一通りの朝の儀式を終えた学生達は、真面目な面持ちで教師を注視する。
「では、今日はこのクラスの新しい一員となる生徒が来ました」
その一言で教室がざわめいた。
「な、やっぱ言っただろ」
得意げな顔の噂好き。
「男?女?」「どんな人?」「どこから来たの?」
様々な疑問が飛び交ったが、教師が答える間も無く、転入生と思われる生徒が1-Aに立ち入った。