第4章:第81話:決意の朝と暴走する妄想
第4章:第81話:決意の朝と暴走する妄想
サカデウスの朝は、窓から差し込む眩しい陽光と共にやってきた。
「ふぅ……あー、よく寝た……」
シンジは大きく伸びをしながらベッドから起き上がった。 一方、隣のベッドではミーシャが
「うぅ……頭痛い……」
とこめかみを押さえている。昨晩、調子に乗ってエールを飲みすぎたのを後悔しているようだ。
フィリアは早々に身支度を整えていたが、シンジと目が合うと、昨晩の「パンツ一丁」を思い出してしまい、慌てて視線を逸らして頬を染める。
そして……セシリアは違った。 彼女はシスター服の襟元を握りしめ、ベッドに座ったままシンジを……正確には、シンジの腰のあたりを「ガン見」していた。
(年頃の男性と同じ部屋で……しかも、あの無防備な姿……)
彼女の頭の中では、清楚な信仰心とは裏腹に、制御不能な妄想が激しく渦巻いている。
そこへ、シンジが無造作にベッドから立ち上がった。 シャツ一枚にパンツ一丁。だが今朝の彼は、昨晩とは違っていた。 男としての本能が目覚めたのか、その中心部が「朝の元気」をこれ以上ないほど主張し、布を持ち上げていたのだ。
「……っ!?」
視線を逸らしていたフィリアだったが、あまりの存在感に、吸い寄せられるように見てしまう。
「……っふ……ふふ、ふふふ……」
セシリアに至っては、顔を真っ赤にしながらも視線を一ミリも動かさず、口元で何やらブツブツと呪文のような妄想を呟き始めている。
その異様な光景に気づいたミーシャが、顔をしかめながらシンジにズボンを投げつけた。
「……ちょっと、シンジさん。少しは気を使ってちょうだい。……そんな『ミニバナナ』見せつけられても、こっちは二日酔いなんだから」
「み……ミニじゃねえよ……っ!」
シンジは顔を真っ赤にしながら、大慌てでズボンに足を通した。
気まずい空気のまま、一行は宿の一階にある酒場へ降り、朝食のテーブルを囲んだ。 焼きたてのパンとスープを口に運びながら、ミーシャが改めて切り出す。
「で……どうする? 橋の『赤いトロル』に挑むか、山を越えるか」
シンジはスプーンを置き、隣の3人の顔を順番に見つめた。
「……俺、ちょっと腕試ししてみたいかな。あのボスを倒せれば、首都への近道にもなるんだろ?」
「シンジさんが……そう言うなら、私はついていくわ」
フィリアはまだ少し視線を泳がせながらも、信頼を込めて頷く。
「……ミニ……朝の……バナナ……ぐふふ……」
セシリアはもはや食事どころではなく、虚空を見つめて妄想を暴走させ続けていた。
「わかったわ。じゃあ、やりますか! 本決まりね!」
ミーシャが威勢よくパンをかじり、4人の行き先はついに、魔物の待つあの大きな橋へと定まった。




