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第3章:第47話:母の涙、娘の決意

第3章:第47話:母の涙、娘の決意


「……いい加減にしなさいよ、このバカ親子!」


静寂を、というか「親子の世界」を切り裂いたのは、ミーシャの容赦ない怒声だった。 彼女は額に青筋を浮かべ、腰に手を当てて仁王立ちになっている。


「感動の再会なのは分かったけど! こっちは命がけでこの子を送り届けて、挙句の果てに守備隊に囲まれて、挙句の果てにこの見せつけ!? 司祭様だかなんだか知らないけど、限度があるでしょ!」


「……ひ、ひぃっ! ご、ごめんなさい……っ!」


まさか人間の小娘に怒鳴られるとは思っていなかったのか、シルフィアはビクッと肩を跳ねさせ、情けない声を漏らした。


数分後。 ようやく「ふんっ、ふんっ」と鼻をかみ終えたシルフィアは、まだ少し目が赤いまま、ソファーに座る三人と向き合っていた。手元のハンカチは既にぐっしょりと濡れている。


「……失礼いたしました。娘が……あまりにも、あまりにも無鉄砲なもので、つい取り乱してしまい……。……っ、ううっ……フィアちゃん、本当に、本当に……」 「お母さん! また泣かないでよ! 話が進まないでしょ!」


フィリアに一喝され、シルフィアは「うぐっ」と声を詰まらせて、今度こそ司祭としての(少しだけ崩れた)顔を必死に保った。


「……。それで、この……シンジ殿、でしたか。貴方たちが、フィリアをここまで連れ戻してくれた経緯……改めて、詳しく伺わせてください」


そこまでは、落ち着きを取り戻した司祭の言葉だった。 だが、シルフィアはそこで言葉を区切ると、その碧い瞳を、逃げ場を塞ぐような鋭さで娘へと向けた。


「……(フィリアをじっと見つめながら)なぜ、あなたが里の外へ出て行ったのかも……」


その瞳には、母親としての心配と、里を治める者としての厳格な追及が混ざり合っていた。 部屋の空気が一気に引き締まる。フィリアは思わず息を呑み、膝の上で拳を強く握りしめた。


真司は、その張り詰めた空気の中、ごくりと唾を飲み込んだ。営業マン時代、クレーマーの重役と対峙した時以上の圧力を感じながらも、彼はゆっくりと口を開いた。



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