61.嫌われていても仕方がない。
「...」
気まずい。
お店の人はまさか、本人を目の前にあんなことを言っているとは思っていなかっただろう。
そして、今は、服屋からでて、みんなの元へと帰って歩いているときだった。
「ちゅ、注文ちゃんとできて良かったね。」
夢描が、勇気を出しながら言った。
「そうだね。」
「お店の人怪しんでたけど。」
「お店の人、」
だめだ多分今何を言っても陽葵が、反応してしまう。
「お店の人はなんであんな言い方なんだよ。」
蓮、今じゃないだろ。
と言いそうになったが、
確かにそうだな。
「司が、勇者になったのが6歳のことでしょ」
「その時からこの国はこんな感じだったの?」
蛍は、逆に聞いてみようと考えたのか司に質問をした。
「そうだな。」
「今の国王になった時が俺が生まれる少し前だからな。」
じゃあ、今の治安の悪さに司はそこまで関わりがあるとは思えない。それは、この国の人もわかっているはずだよな。
それに、花の家族のように王族自体を毛嫌いしていたらまだわかるが、勇者に対して言っている人のほとんどがしっかりと稼げているような人たちだ。
なんでそこまで嫌われているのだろうか。
「うーん」
蛍は、色々な可能性を考えた。
「はぁ」
「もういい」
「帰ったら話す。」
「俺が嫌われているかの理由を」
──────
それから、6人は一言も話すことなく歩いた。
「ただいまぁ」
道はわかるようになったが、流石に遠いからヘトヘトだ。
「おかえりなさい」
慎さんが、お迎えしてくれた。
「今回は、お釣りがあった。」
司が、余ったギロニーの入った袋を慎さんに渡した。
「これは、凄いですね。」
「....」
「どうしたの?」
未来が、来て少し暗い雰囲気をまとっている6人を見て驚いたように言った。
──────
「はぁ?」
「何それ?」
今日あったことをみんなに話した。
陽葵のようにみんなは、怒っていた。
「まぁ、」
「嫌われるのは、無理もないがな。」
司が何も無いように言った。
「...」
いつもだったら違うと止める陽葵が黙っていた。
今回は、司の話をしっかりと聞こうとしているのだろうか。
「そんな、」
司の素っ気ない言い方にみんなは、少し悲しくなってしまった。
「勇者が嫌われてるなんて」
透も知っている勇者のイメージが違ったのだろう。
司は、少し息を吸ってから言った。
「この前俺が言ってた先代の勇者がいただろ」
「その先代の勇者は俺の」
「父親だ」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




