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59.嫌われ者

「じゃあ次は服屋さんだね!」


陽葵達は次の目的地へと足を運んだ。


「ここを右だろ」


「違う。」


司の方向音痴ぷりはまだなおってはいなかった。


ガヤガヤ


人の通りが多くなるところに出た。


「やっぱり人多いね」


花がみんなと離れないように人の波に逆らって歩いていた。


人と人がとても近いため街の人がコソコソ話をしていてもしっかりと聞こえてしまう距離だった。


「そういえば」

「最近勇者様見ないわよね」


おばさまらしき人達が話をしているのが聞こえてしまった。


「ひっ、」


...夢描流石にバレるって。


だが、確かに驚くのも無理はないが。


「もしかして、もういないとかぁ」


なんてことをと思ったが、ここは異世界私達と価値観が違うのか?


そう思っていた。


「まぁ、無理もないでしょうね」

「先代があんなんだからねぇ」


「えっ?」


流石に、異世界だからという価値観の問題を通り抜けた発言をしていた。


この国を守ってくれる勇者に

今、このおばさま達は、


―無理もない


と言った。


その言葉の中には勇者の苦労を汲み取って言った言葉ではなかった。


―バカにした言い方だった。


「...」


みんなは、勇者がこの国でいかに好かれていないかを実感した。それとも、このおばさまが言った先代が理由なのだろうか。


色々な考えが頭をよぎった。


「何をしている。」

「さっさと行くぞ。」


司はいつものようにぶっきらぼうに言った。

だが、今の話は絶対に聞こえていたはずだ。


それを、聞いていないように。

いや、慣れたように無視している。


司は、何年もこんなことを言われ続けていたのだろうか。  


「よし、向かうぞ!」


陽葵は、空気を変えるように明るくいった。


「司銭湯歩かないでよね」


「わかってるよ」


みんなは、司とどう接すればいいかわからなかったが、陽葵のいつもと変わらず話しているのを見て


「はやくつかねぇかなぁ」


いつもと同じように接した。



ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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