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58.最初とは少し違う〜春〜

「じゃあ行ってきます」


陽葵たちは、大量の魔石をマントの下に隠してドアを開けた。


「陽葵は、待っていなくても大丈夫か?」


陽葵の体調を気遣って司が言った。

陽葵は、笑顔で言った。


「大丈夫!」

「心配させてごめん!」


「...そっか」


「良かったよ」と呟きながら言った。


最初はまず、交換所に向かった。


「行き過ぎて地図見なくても行けるようになったな」


一番最初に行った時。

まさか、あの司があんなに方向音痴だとは思わなかったなとみんなで笑っていた。


「...笑うな!」


「こっちが近道だったわよね」


今では、近道が自分たちでわかるようなくらいにこと国のかたちは、覚えた。


「その時が来た時」

「知っていた方が便利だからね。」


陽葵の言う、()()()とは、戦いの時だろう。


「着いたわね」


「俺たちも体力着いたな。」


今回は自分たちの成長をよく感じる日だ。

これも、鬼司の特訓の成果だろうか。


思い出すだけで吐きそうだけど。


「じゃあ入ろっか」


陽葵は、交換所のドアに手をかけた。


ガチャ


ギッギィィ


「失礼します」


交換所は、相変わらず人気のない薄暗い場所だった。この雰囲気のせいか、寒く感じる。


「また、お前らか」


カウンターの下から出てきたのは、交換所のマスター(はる)さんだった。


「春さん」

「今回はこれを交換したいのですが」


この交換所には数人しか通わないので数回行けばもう顔見知りだ。


「すごい量だな」


春さんが驚くのも無理がないだろう。

パンパンに入った魔石の袋が6個あれば。


「いやぁ」

「意外と夢中になっちゃうからな」


蓮は、偉そうに言った。


「蓮の活躍はこのひと袋の半分にも含まれないけどね」


花が、言った。


「それは、...言うなよな」


何も言い返せなかった。

だって、いちばん活躍したのはもちろん蓮ではなく、司だからだ。


「ほう」

「まぁまぁいいじゃねぇか」


春さんは、魔石を眺めながら言った。


「最初にスライムの魔石を持ってきた時は」

「追い出そうかと思ったがな」


懐かしいな。

もう半年か。


──────

「じゃあ」

「1500ギロニーだ。」


「そんなにいいのか?」


司は、思いのほか高い額に驚いていた。


「あぁ、」

「量も量だしな」


春さんは、素っ気ないが最初に比べたら仲良くしてくれている。


「受け取りました。」

「ありがとうございます!」


陽葵は、元気にお礼を言って交換所からでた。


──────

「じゃあ次は服屋だね」


「司、絶対にフードとっちゃダメだからね!」


そう、今回は幻想の面などはないため、フードを外したらそこにあるのは。

―勇者、龍真なのだ。


服屋では、絶対にフードを外してはいけない。

―バレてしまうから。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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