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31.路地裏の交換所

「ここを右ね」


結局花が地図を見ながら交換所まで行くことにした。司は、少し不貞腐れているようだった。


「右に行ったほうが近道じゃないか?」


司は、こうやってたまに地図に書いていない合っているか合っていないか分からない情報を教えてきた。いや、多分合ってないけど。


「左と」


「おい」


陽葵の存在の大切さを感じたことはこれまでにあったか?どこから陽葵の「おい、」という声が聞こえてきそうだから考えることをやめよう。


花の後をついて行くとさっきとは全然違う場所に来た。


「なんか暗いね」


夢描は、蛍の腕にぎゅっとしがみついた。

蛍は、夢描を落ち着かせるために「大丈夫だよ」と言っていた。

たしかにこの道はさっきの市場のようなところと比べて狭いし暗いし。何より活気がない路地裏だった。


「そろそろ着くみたいね」


花が地図と辺りを見ながら答えた。


「ここね」


もう1度地図を見て確信してから言った。


でも、そこにあったのはオンボロの建物だった。看板らしきものもない。本当にお店なのか。疑うほど陰湿な空気がこの建物からは感じられた。


「行くか」


司は躊躇うことなくその建物のドアノブに手をかけた。


ガチャ

ギッギィィ


ドアは古いのかとても開けづらそうわうな音を出しながらゆっくりと開いた。


「ごほっ、ごほっ」


ドアを開けた瞬間咳が出るほどのホコリが舞ってきた。

本当に、お店か?


ホコリを手ではらいながら6人は店の中へと入っていった。


目の前には木製のカウンターが置かれていた

。そして左右の壁には動物、植物の名前や特性か書かれた紙が何十枚も貼ってあった。


ギシギシ


歩く度に床から軋む音が聞こえた。


「おんぼろだな」


司は辺りを見渡しながら言った。

蛍が「ちょっと」と言っていた。


「ならさっさと帰れ」


6人から発せらせた声ではない事がわかるくらい低音でかすれている声だった。


6人はカウンターの方を見た。


「はぁぁ」


男がカウンターの中からあくびをしながら出てきた。椅子を連ねて横になっていたらしい。夢描は、あまりの驚きに自分の声が漏れないように口を抑えていた。


「てか、誰だてめぇら」


その男は、髪をひとつに結んでいた。

そして、服も何日間か着続けていたことがわかるほどシワになっていた。


「それは言えないが」

「これと交換をしてくれ」


司はゆっくりとその男に近づいて、袋にパンパンに入った魔法石をカウンターに乗せた。


「ちっ」

「なんだよ、」

「スライムかよ」


男は司が置いた袋の中身を覗いて舌打ちをした。


「しっかし」

「すごい量だな」


そう、魔法石の入った袋は1つや2つではなかった。まぁ、その半分以上は司がとったものだが。


「スポーン地点を運良く見つけたからな」


スポーン地点、この前司から教えてもらった。魔獣は、魔素の多いところから生まれてそこから違う範囲へと広く生活をしていく。

だから、魔獣はいなくなることはないのだとか。


「まぁ」

「これくらいなら」

「200ギーロだな」


男は、魔法石の数を数えることなくそう言って、銀色のコインを2枚出してきた。


「そんなにいいのか?」


司は予想以上に貰えたことに驚いていた。


「あぁ」

「量が多いからな」


その男は、どこか司と似ている気がした。

淡々と話すからだろうか。


「じゃあ帰るぞ」


銀色のコインを男から受け取った、司はカウンターに背を向けてドアの方へと歩いていった。

5人は男にぺこと会釈をした。

男は再び寝るためにカウンターの下へと姿を消した。


イメージにしていたものとは少し違って意外とあっさりと終わってしまった。


ギィィ


扉を開いて外へと出た。


「帰るか」


司は、右へと歩き出した。


「...反対よ」

第31話を見てくださりありがとうございます!!!!次回も良かったら見ていってください!!

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