28.短剣を振り回す少女
「ふぁぁ」
いつも通り異世界での朝が始まった。
あのスライム達とか戦ってから1週間が経過した。
「今日もやるのかぁ」
蓮は、自室から出てきた時にため息混じりそう呟いた。蓮が来たことで陽葵以外のみんなは集まった。
「あぁ」
司は、共同スペースのソファーに座っていた。
「だが、」
「今回は陽葵ではなく楓が来い。」
「陽葵大丈夫?」
花は心配そうに陽葵と司の部屋のドアを見た。
陽葵は昨日突然気分が悪くなったと自室に閉じこもってしまった。だから、司は共同スペースのソファーで寝ることになったという。
「大丈夫だ。」
「疲れたんだろ」
今までの陽葵は、みんなを引っ張ってくれていた気がする。きっと無理をしていたのだろう。
「朝の方が魔獣の動きが遅い」
「さっさと準備をしろ」
司がそう言った。
──────
準備といっても、ただ朝ごはんを食べるだけだからそこまで時間はかからなかった。
「行くぞ」
キィィィ
階段へ続くドアを司は開けた。
今回は陽葵の代わりに楓がいる。
なんだか変な気分だ。
──────
「そっちいったよ!」
流石に慣れてきた蛍は、みんなに声掛けが出来までに成長していた。
「なんかさ」
「体育みたいだね」
相変わらず袋を広げて魔法石をあっためている夢描が懐かしそうに呟いた。
でも、絵面はなかなかに強烈だ。
学生の6人中1人が探検を振り回しスライムを倒して、喜んでいるのだ。
「やったよ!」
──────
「いやぁ」
「今日も沢山取れたね!」
夢描は自分が持っている袋を覗きながら言った。
「これぐらいあれば買えるか。」
みんなはここ最近で一番聞きたかった言葉を司の口から聞けた。
「まじで!」
「嘘を言うわけが無いだろ」
「そこは乗れよ」
蓮のツッコミもなんだか慣れてきたな。
「帰るぞ」
──────
「まじで!」
帰宅してから魔法石が集まったことを知らせるとみんなは喜んだ。
「でも、」
「これをどこで交換するんですか?」
普通は街の交換所で交換するだろうがそれはあまり好ましくない。
交換所は、国が経営しているからだ。
また、司を連れて行けないのはそうだが、マントの男たちはみんなの顔を数人は覚えているだろう。
「いいってがありますよ」
慎さんはいたずらにニヤリと笑った。
そのあと、慎さんはペンと紙を取り出してなにか書き出した。それは細かく書かれた地図だった。
「こちらに行ってみてください」
「ここは、人を選ばずものだけで選ぶ人が経営しています。」
つまり、訳ありでもということだろう。
慎さんは、ここに来てから1番信用ができる人だ。間違いはないだろう。
「わかった」
司は、慎さんから地図を受け取り誰と行くを決めようとしたが。結局今まで通りの花、夢描、蓮、楓になった。
「またかよぉ」
そんな声が聞こえたが司はこのメンバーで行くと言って準備をしだしたため、みんなは何も言わなくなった。
「それじゃ行くぞ」
今日2回目の外出。
だが、今回の扉はいつもとは違った。
街へ繋がるもうひとつの扉、5人は緊張を胸に1歩を踏み出した。
「いってきます」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。次は街に行きます。




