69話 緊急の魔女会
「説明してもらいましょうか」
寮の屋上で正座しているソナとトウカの前で
ポーが2人を見下ろす形で聞いた
「そんな‥‥ねぇ、怖いわぁ
可愛い顔が台無しやで」
「ふざけんほうがええよ、ソナ」
周りにいる
リン、アヤノ、サリ、ルカ
エル、ヒル、ウイ、カヤ、クナは
広げたシートに座りながら
難しい顔をしてお菓子を食べたり
お茶を飲んだりしている
「まさかとは思いましたけど
こんな形で割り込んでくるとは
思いもしませんでしたわ」
「そーだね
クナが参加して終わりだと思ってたもん」
「ソナとトウカは
わかってて専攻科を選んだんですか?」
リン、アヤノ、ウイが喋ると
ソナはうぅと顔を真っ赤にする
「最初はファミリーの誘いが多かったのと
ええのがおらんかったし、面倒くさいから
専攻科に行って自分で選べる権利貰おうと
ただそれだけやってん」
「ウチも似た様なもんやってんけど
専攻科に決めて、ファミリーの誘いが
のうなったぐらいの時に
それこそ去年の正月に見つけてもうたんや」
「ウチもそのぐらいやわ」
ソナとトウカは揃ってため息を吐く
「私達が新年の神事を成功させた時なの」
「あの時に載った記事なの?」
エル、ヒルが聞くとトウカは頷く
「今思えばって言う話で
そん時はそうでもなかったんやけどな」
「ホンマにそうやねん
トウカが嬉しそうに記事見せてきて
あー、そうなんって感じやってんけどな」
ポーがため息を吐きながら
シートに座ってお菓子を食べると
ソナとトウカは足を崩して座る
「でもな中学に入学してきた時の
バレーの入部選考会があったやん?
その時にあの子や!ってトウカと話してて
なんか聞ける事ないかって言われたから
ウチが場所を選ぶ時に中学を選んだんや」
「あんまり聞けんかったけど
色々とあったやん?全国制覇とか
進学科の先生とか‥‥蠍ちゃんとか
ファンクラブとか」
ポーは不機嫌そうにお煎餅をパキッパキッと
音を鳴らして食べている
「私達が色々と手を回してるのも
知ってたよね?」
カヤが言うとソナとトウカは無言で頷く
「言いましたよね
専攻科の選ぶ権利を使わないでくださいって
釘を刺しに行ったと思いますけど」
「頷いてた」
「あれはなんだったの?」
ポーが言うとルカとヒルが同意する様に言う
「しゃーないやん!
ポーやったらわかるやろ!
ウチらがこうなってもうたらアカンっての」
「ウチも我慢してたんやけど‥‥
クナが参加したって聞いたらな‥‥
止まれんくなってもうたんや」
ソナとトウカは
少し俯きながら呟く様に言う
「まぁ‥‥こうなったら
しょーがないよね」
「これ以上は絶対に駄目だし」
アヤノが軽く言うが
カヤが尻尾を床にシターンシターンとしながら
剣呑な目付きで言った
「そもそもイケるの?
定員オーバーじゃない?」
「しかも原種ばっかりでいいの?」
ウイとエルが聞くと
「原種に関しては
前例が無いから分かりませんけども
専攻科の選ぶ権利は
定員オーバーのファミリーに入る為に
使われた事があるんですって」
「だから私が‥‥
ソナとトウカの種族的にマズイと思って
わざわざ釘を刺しに行ったのに」
リンとポーが思い出す様にしながら答える
「まぁ〜ね、いいんじゃない
シンなんだしさ」
「それもそうだった
もう専攻科みたいな特殊な事はないんでしょ」
「調べた限りは無い」
ウイが背伸びをしながら
アヤノつられて背伸びをして呆れた様に言うと
ルカが頷きながらお菓子を食べて言う
「ホンマに堪忍やって」
「ポー、本当にごめんなさい
それでも、わかってくれたんは嬉しい」
ポーは不機嫌な顔をしていたけど
ため息を吐いて笑顔になる
「まぁいいわ
シンなんだしさ」
「そうね‥‥
なんか許せないけど‥‥シンだものね」
ポー、サリが言うと同意した様に
全員が笑いながら頷く
「せやけど‥‥
ホンマに狙ってイケるもんなん
TSって難しいちゃうん?」
ソナが聞くとトウカ以外の全員が
ソナを見て笑う
「絶対にやってみせますわ」
「無理だと思うなら抜けてもいいよん」
リン、カヤが目をギラつかせながら言う
「ソナ‥‥アンタってば
ここまできて怖気付いたんか?」
トウカは目を真っ黒にしながらソナに聞く
「ウチかってな!覚悟もできとるし!
それにやってやると思うとるけど
ホラ‥‥時間的にな」
ソナが両手を広げて振りながら全員に聞く
「そんなのどうとでもなるの!」
「何にでも例外はあるの!」
「絶対にやる!」
エル、ヒル、ルカが気合いを入れながら
怪しく目を光らせて言う
「それにソナとトウカも
わかってるんじゃないかしら?」
「そうね
今の状況をわかってるから
止まれなくなったんじゃないの?」
ウイ、サリが体を薄く光らせて
クスクスと笑う
「私は絶対にシンじゃないとイヤです!」
それまで黙って
バクバクとお菓子を食べ続けていたクナが
手を挙げて尻尾をブンブンと振る
「それに駄目だったら
シンと同じファミリーを選べばいいじゃない
その為の専攻科なんでしょ」
ポーが暗い色をした目をしながら
言いたくない、考えたくない事と思い
ソナ、トウカを見ながら言う
「こうなってもうたら
保険は無しや!やったるかんな!
覚悟したんやから、覚悟しぃや!シン!」
「そんな顔して、ごめんやで
考えたくもない事を言わして悪かったわ!
ウチも引くに引けんやなくて!
絶対にやったるからな!TS!」
全員が種族特性を剥き出しにした姿で
無言で片手を挙げる
「まぁ‥‥それはそれとしてやな
これからよろしく」
「ウチもよろしく」
全員が頭を下げて笑い合うと
今後の話題へと変わっていく
もうこれ以上増やさない様にする為に
徹底的に周知してやっていく事が
1番の話題となるが
「にしても、当事者のシンが
あの態度っていうのもねぇ」
誰かが呟くが
獲物には最後までわからない様にするのが
醍醐味なのでは?で
話はまとまっていった




