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67話 ここだけの話をアッチコッチでしない事

「説明してくれるんでしょうね」


シンは保健室のベッドに

気だるそうに座りながら辺りを見回す

蛇達がいなくなったおかげなのか

頭が軽くて動かしやすい


「どこからがいいかしらね」

「全部!この状況も!全部よ!」


シンは叫んで何ヶ所も指差す


シンに笑顔で声をかけて

困った様に頬に片手を当てている保健室の主

待っててねと保健室から出ていって

すぐに戻ってきたので話し合いが行われている


窓際で外を向いて立っているポーを

慰めているウイ、カヤ、エル


不貞腐れた様にして丸椅子に座って

前後に動いている保健室の主に瓜二つの女性


着物を着て、人形の様な表情で

丸椅子に座っている真っ黒な髪の髪の女性


座っているシンを後ろから立ちながら

睨んでいるヒル、ルカ


シンの横では8匹の蛇達が折れた体を

なんとかしようと大きく息を吸って

フンッと気合いを入れている

一気に治る蛇もいれば

折れた箇所が尻尾のあたりに移動したので

ウソでしょ!と驚きながら

何回か同じ行動をしていた


「まずは自己紹介ね

私は保健室の主って呼ばれてるのよ」

「‥‥たぶん、久しぶり?」

「あら?わかるのね」

「並んで見たら‥‥わかるわよ」

「本当にスゴい記憶力ね

あなた達も自己紹介しなさい‥‥

もう、こうなったらしょうがないじゃないの」


シンに話しかけていた保健室の主は

不貞腐れた瓜二つの女性と

黒を基調とした着物を着ている

黒髪の女性に声をかける


全員の視線が集まる中

2人は少し考えた後に


「ウチはソナ」


不貞腐れた女性はシンを真っ直ぐに見て言うと

赤くなって、拗ねた様に横を向く


「トウカです」


着物を着ている女性はシンの目を見て言うと

ゆっくりと息を吐いて目を瞑る


「この2人はね

シンちゃんの‥‥ファンなのよ

いえ、違うわねぇ‥‥

そう!友達になってね

みんなと一緒にイチャイチャしたいのよ!」

「バァちゃん!」


ソナが保健室の主に叫ぶと

シンとトウカ以外が保健室の主を

驚いた様に見る


「ばあちゃんって?ばあちゃん?」

「祖母って事?」

「え?でも」

「瓜二つ」


カヤ、ポー、ウイ、ルカが

それぞれ驚いた様に呟き

エル、ヒルは目を凝らして

ジッと保健室の主を見ていた


「そう?よく見ると結構違いがあ‥‥」


シンが言いかけると保健室の主の頭から

2匹の蛇が 素早くシンの首に巻き付いて

焦った様に耳元でシャーシャ!と鳴く

まるで、わかる事を語りたいのはわかるけど

それ以上は、おやめなさい!と諭す様に


「シンちゃん?間違い探しが上手いのは

わかったけど‥‥

その間違いは年齢に関係してるの?

シワ?肌?それとも‥‥何?」

「黙秘します」


シンは変な汗をかきながら答えると

首に巻き付いていた2匹の蛇は離れていった


「ウチとオカンとバァちゃんは

種族特性で瓜二つなんや

口調さえ真似してたら

バレる事なんてあらへん」

「そうねぇ、それで久しぶりに繋がるんだけど

シンちゃんと最初に会ったのは私で

後はずっとこの子なのよ」


ソナがいうと

保健室の主

ソナの祖母が話を続ける


「色々とあってね

去年から中学はこの子、小学は娘

高校と大学は私が保健室に

勤める様になったのよね

この子は見習いなんだけど

私と娘がフォローして

この子が熱望した中学の担当をね」

「ホンマにズルい」


ソナの祖母が言った後に

トウカが目を瞑ったままで呟く

ソナの祖母は少し笑いながら続ける


「我慢してたんだけどね

今日の朝、この子が叫びながら起きてきてね

アイツら!まさか!まさかぁ!って

私達の頭にいる蛇達は‥‥

まぁ、親友って感じで

生まれた時から一緒にいるのよね

だからかしらね‥‥一心同体みたいな感じでね

好きな物も嫌いな物も同じになって」

「バァちゃん!待ってや!」

「いまさらでしょうに」


ソナの祖母は

話を遮ってきたソナを呆れた様に見る


「それで、さっきの騒ぎになったわけ」

「コッチにこの子がいるのは?」


シンは自分の頭を指差す


シンの頭の上では小さな蛇が

シンの髪の中に潜って

プハッと出てきて

シンの頭に顔を気持ちよさそうに

ゆっくりとスリスリしている


「ああ‥‥その子は」

「なんでもあらへん!あらへんから!

ホンマに気にせんとって!」

「ホンマにズルいわ!」


ソナが声を荒げて否定すると

トウカがソナに向かって叫ぶ


シンはなんか見た目とイメージと違う様な

もうちょっと大人しく冷静に怒る人だと

勝手に思っていたので

イメージとは違い、感情をむき出しにする

トウカを改めて見ていた


「ソナが、まだまだ我慢って言うから!

ウチも合わして我慢しとったんやろ!

なんで裏切る様な事するん?」

「ちゃうやんか!

この子らが勝手にやった事やし!

ウチは知らんわ!」

「はぁ?アンタが好き勝手にしくさんのを

どれだけ我慢したと思ってんの!

追いかけ回して自慢すんのも!

抱きついたり!寝顔にキスすんのも!」

「アンタ!ソレはここだけの話って!

言うたアカンでって、あれほど言うたやんか!

ほならさ、言わしてもらうけども

アンタも寮に忍び込んで

寝とるとこに何したんや!言うてみ!」

「それこそ言うたらアカンって言うたやろ!」

「そんなん知らん‥‥わな」


トウカとソナの暴露合戦を聞いていた

ポー、ルカ、エル、ヒル、ウイ、カヤが

ユラっと動き出したと思ったら

トウカとソナを取り囲む


「そうなんだ‥‥ばあちゃんが捉えきれない

侵入者がいるって言ってたのは

全部、先輩だったんだ」

「確か‥‥1年近く」

「そうなの?」

「そうなのかな?」

「なら‥‥1年分って事だよね」

「全部叩き込んじゃうんだから」


トウカとソナは種族特性を出して囲む後輩に

プルプルと震えて怯えながら2人は抱き合う


「あんな‥‥嘘やん

種族ジョークですやん」

「嘘!ウソ!うそ!やってな?」

「ホンマに堪忍やって

いつも捕まえる時にやってたのは謝るからさ」

「ウチは姿がバレてもうたら

直接は弱いんよ、隠れるのは得意やけど」

「いや!許して!許してよ!」

「あっ!ちょ!引っ張らんとってや!」


ソナとトウカが言い訳をするも

6人は無言で2人を廊下へ引きずっていく


ソナは、アンタらもやろが!と

1匹の蛇を掴むと、嘘やん!と驚いた蛇が

違う蛇の尻尾を助けて!と噛む

噛まれた蛇は、嘘ですやん!と

次の蛇の尻尾を噛んで続いていき

8匹の蛇が繋がっていく


最後の蛇は噛む所もなく

涙目になりながら、ジタバタと暴れて

なんでよ!罰は受けたやないの!

おかわりなんて冗談やないて〜と

シャーシャーシャーと泣くものの

廊下の方へと引きずられていった


「過激な子達ね〜

シンちゃんは行かないの?」

「行くわけないでしょ

あんなの命がいくつあっても足らないわよ」


シンは段々と強くなってきて

窓に当たる雨を見ながらため息を吐く

ソナの祖母は苦笑いをしながら

ピーピー♬と気分良く鳴く小さな蛇を避けて

シンの頭を優しく撫でていた


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