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59話 意外と続いていた物語

柔軟をしているシンの見つめる先では

新入生達が気合いを入れて

入念に打ち合わせをしている


「リン達はやらないの」

「まとめんな」

「まとめない」


シンは何気に聞いたら

アヤノ、サリが抗議してきた


「リン主将とアヤノたんとサリきゅんは

‥‥‥わかったわよ

ふざけないから」


シンがヘラヘラしながら言おうとしたら

アヤノに頭を掴まれたので

真剣に言う事にする


「リンとアヤノとサリはどうすんの?」

「もちろんやりますわ」

「入るよ」

「こっちはベストメンバーよ」


シンは答えた3人が

意外な事を言ってきたので


「歓迎会ではやらなかったの?」

「もちろんやりましたわ

生意気な鼻っ柱を叩いてやりましたわ」

「なんだけどねぇ

まぁ‥‥向こうの希望はシンだし」

「ブロックはしないわよ

ブロックはね」


シンはそういうことかと思いながら

柔軟を終えて

その場でぴょんぴょんと飛び始める


「それにしても

3点は無理難題すぎるとは

思わなかったの?」

「私達はシンなら問題ないと

思っただけですのよ」

「それに開法小の後輩もいるから

大体実力もわかってるしね」


シンが跳ねながら質問すると

リンは腕組みをしながら

アヤノは新入生を見ながら答えてくる


シンは開法小と聞いて

そういえばと思いあたる


「開法小って6連覇したの?」

「してないわよ」


サリがサラッと言う


「去年は地区大会で負けましたわ」

「シンは見てないん?」

「あんまり興味なかったから

じゃあ‥‥面白くなさそうかなぁ」


シンは跳ねるのをやめて

新入生達を見ていると


「ネタバレ禁止よ」


サリが少し笑いながら

周りにいたバレー部員達にも

聞こえるように言った



2階観客席では

エル、ヒルが少し怒りながら

準備を黙々としていた


「何を怒ってんのよ

さっきの事はしょうがなくない?

シンなんだし」

「違うの」

「アレは後で問い詰めるとして

今は違う事なの」


ウイがエル、ヒルを宥めるが

2人とも怒りが増したように答える


「わかるけどさ

あれで全国3位までいったんだから

誇らしい事なんじゃないかなぁ

シンにとってはだけど」

「なんか嫌」


カヤがなんとなく言ってみるも

ルカまでブスっとしながら

怒っているように見える


5人は新入生達が集まって

何やら話しているのを見ていた

その中でも一際大きい選手を

注目しながら考え始める


「やってくるわよね」

「まさか開法に来るとはねぇ」


ウイ、カヤは少し笑いながら言うと

エル、ヒルがやっているカメラの設置を

手伝っていく


「あんなのに負けたら」

「お仕置きなの」

「夜ご飯は苦手な物にする」


エル、ヒル、ルカが

コートでぴょんぴょんと飛ぶシンを

見ながら呟いた



ブザーが鳴り

新入生達のコートからボールが飛んでくる

シンはボールの処理は

他の部員に任せて

体を左右にリズム良く揺らす


前には左側にアヤノ

正面にはリン

右側にはサリがいる


サリが高く飛んで

新入生のコートへと打ち込んで

レシーブをした選手の行動に

シンは半眼になって

左右にリズム良く揺れていた動きを止めて

ジッと見つめていた



新入生の中で1番背が高く

大きく見える体を左右にリズム良く動かして

ボールがコチラに叩き込まれるのを待っていた


〔やっと‥‥やっとできるんだ〕


さっきまで行われていた歓迎会では

先輩達には敵わなかった

やった事に対して驚かれたけども

シン先輩には遠く及ばないと言われた


本当に?本当ですか?

贔屓をしているのでは?

コレばっかりをしていたわけではないですが

私だって去年の小学生全国3位です!

納得いきません!絶対にシン先輩より

上手くやってみせます!


先輩達の目の色が変わったのがわかった

空気というか雰囲気が変わった


追い落としはやった事があるから

こういう雰囲気には慣れとまでは

いかないけど経験はあるんだけど

3人くらいが

本当に殺気だってて怖かった


でも!それでも!

やってみたかった


レシーブした時に後ろに飛びながら

一回転して着地する

四つん這いで

獣が襲いかかるような姿勢になり

ボールを見ると高く上がっている


タイミングを調節して

走り出して飛び上がり

ボールを打ち込んだ


去年の中学全国大会で見た形は

再現ができなかったけども

その前にやっていた形を

動画で何回も見て

何度もモノマネして

高さと速度を上げて

私なりに憧れに届くように

磨きあげてモノにした


コレで小学生全国大会の

3位にまで食い込んだのに

シン先輩が取れなかった3位にまで

食い込んだモノなのに


なんでそんなに簡単に取れるんですか!



シンは新入生が駆け出した時に

歩くように少し移動した後に

腰を落として構えた


ボールの威力は凄かったのか

シンがレシーブしたボールは

いつものふわっと上がる感じではなく

アヤノの上に高く上がる


シンはいつも通りに

後ろへと吹っ飛ばされたようにみせて

一回転して着地すると

スッと立ち上がって


「アヤノ!高く上げて」


シンの言う事にアヤノは頷いて

コート中央に落下するような位置に

ボールを高く上げる

シンはボールが上がった時に

2、3歩後ろに下がって

姿勢を低くして駆け出した



ボールが高く上がった

おそらく同じ形で返してくる

なら!どっちかが

取れなくなるまでやってやる!


私のボールを取る時に

リズムを止めて半眼で呆れたようにしていた

確かにモノマネだし

そんな目で見なくてもいいじゃない!


構えてリズム良く揺れていると

シン先輩が走り出した

ボールを見ないで

私だけを見ているというか

睨んでいるような

それでいて無機質な瞳にゾッとする


速いし!たっか!

ボールが真横の床に打ち込まれた

反応はできて

手を出したけど取れなかった


ワッ!と歓声が上がるのを聞いて

わかった気がする



「なんか久々にやったけど

コレはコレでいいもんね」


シンはそう言って左肩をブンブンと回す

その様子を見ていた3人は

シンの近くに寄ってくる


「わかるけどさぁ‥‥」

「もっとこう一気にやってあげないと」

「同じ事をやっても‥‥

ほら‥‥続きますわよ」


アヤノ、サリは納得しないような感じで

リンは新入生達が気合いを

入れ直しているのを見ながら言った

シンは新入生コート側の真ん中で

気合いを入れている後輩を見ながら


「えぇ〜‥‥ああいうのって

すごくかわいいじゃない」


モノマネをしてきた新入生

シンより頭2つ分くらい背が高く

ポニーテールにしている茶色の長い髪は

先が腰あたりで揺れている

コチラを睨んでいるように見えるからか

少しキツそうな顔立ちで

雰囲気的にできる美人秘書さんに

見えるなぁとか

シンが思っていると


「ふぅ〜ん

シンは面食いですものね」

「シンってさぁ

ああいうのが好みなんだ」

「あんまり関心しないよ

その態度は」


リン、アヤノ、サリが

イラッとしながら言う


「わかったわよ

次はいつも通りにやればいいんでしょ」


シンは3人の言う事を

軽く聞き流しながら言う


それでもシンは

なんか変な汗をかいていたので

2階観客席に目を向けると

息を切らしているポーと目が合った


笑顔のポーはシンに対して

手を振りながら

真剣にやんないと後でコレだからね〜と

シンに口パクで伝えてきたので

なんでよ!と

口パクで伝え返した



「シンちゃんってば

こういう遊び方知ってるの?」

「いや‥‥どうでしょうね」

「頭は良いのにね」


双子の母親が言う事に

アヤノの母親、リンの母親が

呆れたように言って

3人は視線を同じ方へと向ける


ウイの母親がシンの方を見ておらず

娘の方を見ているのを

3人は見ていた


「やっぱ‥‥気になる?」


ウイの母親はハッとしたように

3人を見ると

心配そうな顔をしていたので

あははっと笑って手を振る


「最近になって

ようやくリハビリとかを

してくれるようになったから‥‥

でもねほら‥‥

ああいうのを見ると

少し不安になるというかね」


ウイの母親が言う事に

3人はシンを見てから

少し考えて笑い出す


ウイの母親は3人の様子を見て

ムッとする


「なによ」

「去年は旦那で

今年は娘をシンちゃんに取られたかぁ」

「ウチの加護にそういうのはないの」

「いっその事

アイツと一緒に吹っ切れてみれば」


アヤノの母親は体育館の天井を見上げながら

双子の母親はポテトチップスを食べながら

リンの母親はサリの母親を見ながら

ウイの母親に言う


「めんどくさいわぁ‥‥

本当に腐れ縁って

なんで切れないのよ」


ウイの母親はそう言って笑いながら

嫌がる双子の母親からポテトチップスを

数枚奪い取って食べていた


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