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14話 色々な話②

8月中旬に開法学院でスポーツの全国大会決勝までが行われていた

天候等に左右されるスポーツもある為

予定が変更する事もあるが

今年は遅れはなく予定通りに進んでいる

そんな開法学院の1番デカい体育館で小学生バレーの準決勝が行われる


応援席に座る人達は

昔にバレーをしていた人

選手達を応援する人

この後に行われる中学生の大会を見る人が大勢いる為に席はほぼ満席状態だった


応援席の下にあるコートでは、4校の選手達が準備をしている

その内の1つの選手達を見て

誰が見ても同じ予想を口にする

開法小の勝ちは間違いない

そのぐらい咲川小の選手達は、なんというかボロボロだった


試合前からやりたくない

帰りたいという気配が出ていた

応援席にいる関係者達も心配そうな目で見ていた


本当に、もう拍手を送っても良いと思う

本来、全国大会レベルではないチームが快進撃を続けて準決勝まで来れた

もういいじゃないかと思う人が多い中で

去年を知る観客は咲川小の小さい選手を見ていた


長い髪を何回か縛り

ぴょんぴょん飛んで髪を揺らしては柔軟をしている

あの選手だけ、唯一ヤル気が溢れている

双璧も彼女を睨んでいる

雷姫はいないが去年の再現のカード

何かあるかもしれない

一部の観客はそんな気持ちで試合を待っていた



準決勝が始まった

咲川小がボールをサーブする

開法小が受けて、トスを上げると双璧の片割れが打つ

咲川小のコートで左右に揺れる小さい選手がボールを受けて後ろに吹っ飛ぶ

ように見せかけて、空中で一回転して構えに入ると、味方からトスが高く上がる

開法小は双璧がコートの後ろ側に下がり構える

ブロックをしない作戦だろう

なんせ去年は全てブロックの上からボールを叩き込まれて、双璧が機能しなかった


咲川小の小さい選手は駆け出して

低くジャンプしてボールを右手で打つとネットギリギリの高さで超えた後、ボールの軌道が変化する

双璧はボールに触るも落として咲川小に得点が入る


次も同じ展開でネットギリギリの高さをボールが超えた後にボールの軌道が変化して、開法小が取り損ね、咲川小の得点が入る

その次は咲川小に点が入らなかった

双璧が前に出てブロックしたのだ

試合は始まったばかりだが、会場は熱くなっていく


アヤノとサリはシンが高く飛ばずにネットギリギリの高さを狙っているのを見て


(誘ってんの?)

(誘ってんのね?)


2回目で確信した


「マジで双璧に挑む気かよ?」

「そうね!そうこなくっちゃ面白くないわ」


アヤノとサリはチームに作戦を変更を伝えて前から動かない事を告げる


今日の朝から行われた準々決勝の時に咲川小がフルセットまでもつれて勝った時は2人は安堵した

そして、すぐに闘志がわいてきた

またシンとやれる!

準決勝でもシンは高く飛ばずにやっていた


今までは練習とでも言いたいの?

誘ってんでしょう?

乗ってやるわ!

ホントに面白い!

真っ向勝負しにくるなんて!

作戦を考えたコッチが恥ずかしくなるよ!

双璧は初めて思考が一致した


リンは2階観客席から試合を見ていた

腕組みをして、シンを見る


(あの双璧に真っ向勝負するなんて

これが去年言っていた覚悟なのね)


リンは組んでいる腕に力が入っている事に気づいて、フッーと息を吐いて力を抜いて行く


コートの中で左右に揺れながら、準備段階に入っているシンを見て


(去年はアレが憎らしく見えましたけども

観客席から見るからか‥‥

なんか‥‥可愛く見えますわね)


リンはそんな事を思いながら

今日はどっちが勝つのかを思いながらボールの行方を追った



「マジで真っ向勝負を挑んでるね」

「双璧に有利な条件で挑むなんて普通はしない事よ」


カヤとウイは話しながら

クッキーを食べている


「美味しい」


ルカは2枚目を食べ始めた


「よかった、口にあって」

「シンにも食べてもらえるかな」


エルとヒルはお茶を人数分のコップに入れる

今回も長丁場になる事を予想して作ってきたお菓子を何種類か広げる

応援席の少し離れた所からポーが手を振りながら駆け寄ってくる


「もう始まってるし

みんなと会うの久しぶりじゃない

私にもお菓子ちょうだい」

「皆集まるのは久しぶり」


ルカがそう言いながらカメラを覗いてる


「本格的になってきてるし」


ポーがそう言うと、カヤがポーの肩に手を置いて


「どこまで行った?」

「準々決勝負け!やっぱ中学は違うわ」


聞いたカヤとポーはハイタッチしてる


「ハイどーぞ」


エルがお茶を皆に渡し出すと


「ありがとう!んでどんな感じ」

「双璧に真っ向勝負を挑んでるわね」

「覚悟ガンギマリじゃないそれ!」


ポーがお茶を受け取って聞くと

ウイが本格的なカメラで写真を撮りながら答えてポーが驚いて声を上げる


「リンは来ないの?」


ポーが聞くと、ルカが応援席の少し離れた所を指差して


「集中して見てる」


ふぅんと言いながらポーはお茶をすする

コートの中で揺れているシンを見て観客席から見る久々のシンは少し大きく見えるなと思いながら、クッキーをかじる



「そろそろ始まる頃かしらね」


カウンターの中で包丁を何本も並べて

1本1本の出来を見ているアヤノの祖父にアヤノの祖母が声を掛ける


「そうだな」

「テレビで見ます?」

「いらん」


アヤノの祖父は包丁から目を逸らさずにそう言う


「色々と来るのに、本当に今日連れてこいって言ったんですか?」


アヤノの祖母は何度目かわからない言葉を口にする


「そうだと言ったろう」

「あんまり連絡も取れてないのに大丈夫かしらね」


アヤノの祖母はソワソワしながらカウンターを拭いて、布巾を丁寧に畳む


「あの子の事だから最悪さらってきそうだけど」

「強引なのか繊細なのかわからんな」


アヤノの祖父の言葉にアヤノの祖母はカウンターを拭く手を止める

アヤノの祖父は包丁を1本取って

水に濡らしてから砥石に当てて

シュッ!シュッ!と軽快に研ぎ始めた

アヤノの祖母は半眼でその行動を見つめて

ため息を吐きながら


「まったく、いい加減にしておかないと包丁がなくなりますよ」


カウンターの中から研ぐ音が止まった

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